更新日:2021年9月30日
執筆:中学受験コース学習アドバイザー・S
「勉強時間が足りないのかも?」「習い事でなかなか時間が確保できない…」等、勉強時間に関する悩みは多いのではないでしょうか。勉強時間は確かに必要ですが、ただ多ければ合格できるというものでもありません。今回は中学受験に必要な学習時間と合わせて、正しい学習方法や上手な時間の使い方について解説します。
中学受験に必要な勉強時間
中学受験に必要な勉強時間は、受験学年の6年生では1日平均3〜5時間、週単位では塾や学校での勉強時間を除いて週20〜35時間というのが平均値です。6年生ほどではありませんが、4年生・5年生は1日平均1〜3時間というのが中学受験を目指すお子さまの平均的な学習時間となっています。子どもたちにとって、いきなり長時間机に向かい続けることは至難の技です。低学年のうちから、机に向かう習慣作りを心がけて、無理なく勉強できる体制を整えていくべきでしょう。よく「塾に行かないと勉強しようとしないので塾に行かせます」というお話を耳にしますが、ただ塾に行っているだけでは合格はできません。通塾しても大切なのは帰宅後の取り組みです。塾に通わせるのも、家庭学習の習慣が身についてからが理想的でしょう。
勉強時間に関するNG集
その1. 勉強時間だけ確保してもダメ
勉強時間を確保し、机に向かわせれば合格できるのか?というと、それも違います。勉強の目的はしっかり解けるようになること、必要な知識を身につけることです。長時間の勉強は、知識を身につける/問題が解けるようになるための手段にすぎません。ただ長時間勉強するのではなく、学習内容が自分の中にしっかり身につくように勉強の目的を強く意識しながら取り組むことが重要です。勉強は必ず「基本事項の理解と問題演習」の1セットで進めるようにし、その日学習した事項がきちんと身についているかを問題演習で都度確認します。
その2. 「〇時間勉強しなさい」だけではダメ
合格を勝ち取るために必要な学習時間と、勉強は常に要点理解と問題演習が1セットであるということがわかったら、次は学習計画を立ててみましょう。まずは、お子さまと一緒に、1週間単位で、何を勉強するか計画を立ててください。最初は計画通り進まなくて当然です。1週間ごとに親子で進捗状況を点検して、その反省を生かして次の1週間の計画を話し合いながら立てるようにしましょう。うまくいかないことを前提に1週間に1日程度、やり残したこと・できなかったことに取り組むことができるようにあらかじめ予備日を設定しておいてもいいでしょう。
ご家庭の中には、「3時間勉強しなさいね」や「今日は〇時までやったら、終わりにしていいよ」とお子さまに伝えて勉強をさせている方もいらっしゃると思いますが、このような伝え方だと、ただ時間を潰すことが目的になってしまいがちです。本当に合っているのだろうか?理解できているのだろうか?という見直しが疎かになってしまい、結果的に勉強が雑になってしまうことがよくあるので、「今日は◯時間の勉強で、この分野やこの問題を解けるようにしよう」と学習目的と学習時間を一緒に伝えて、決められた時間は机に向かわせるようにする方がよいと思います。
学習中のつまずき対策
中学受験の道のりは長いです。順風満帆に中学受験の当日を迎えるというお子さまはまずいません。必ずどこかでつまずき、不安やいらだちを覚えることになります。学習的なつまずきについては、「あまり難しい問題はやらなくてもいいよ」と声がけをし、まずは基本を身につけることに集中させてください。どの教科も平均点をとれるように基本事項を確実にカバーすることは大変重要です。受験学年になると、解けない問題に時間をかけすぎないというのも受験勉強を進める上での重要なポイントになります。他の受験生も解けないだろうと思われるレベルの難問については復習をしないことを選択する勇気も必要になってきます。
長丁場の中学受験では息抜きも大切です。大人でも休みなしでずっと働いていたら、疲労がたまりイライラし調子も悪くなります。子どもは大人以上に気持ちの浮き沈みが激しく左右されがちです。お子さまが疲れているとき、勉強がうまくいっていないときは思い切ってリフレッシュしましょう。6年生は受験が近い時期にリフレッシュに1日を使ってしまったら、勉強時間が足りなくなってしまうのではないか?と思われるかもしれませんが、1日休養したことで、その後の学習がスムーズに進むのであれば、それに越したことはありません。時には思い切りも重要です。
時間の有効活用
学年が上がるにつれて自由に使える時間は少なくなります。ちょっとしたスキマ時間を有効に使って、短時間でもできること(計算練習、漢字練習、一問一答の問題など)はその時間で取り組むというような工夫も必要になってきます。一方で、頑張りすぎにも注意が必要です。夜遅くまで勉強して睡眠不足になってしまうと、次の日、学校で眠たくなってしまったり、体調が悪くなってしまったりと、その頑張りがマイナスに作用してしまうこともあります。どの日も無理のない範囲で頑張って、もし疲れたら1日休んでリフレッシュするようにしましょう。
リフレッシュは思い切ってとるという話をしましたが、ご家庭によっては、その日の勉強を頑張ったらその後はゲームを楽しんでいいよという「小さいご褒美」を子供に与えているという方もいらっしゃると思いますが、ゲームは時間を区切るのが難しいものです。ゲームをご褒美にするのであれば、リフレッシュの日にさせるようにした方がよいでしょう。6年生はつらいでしょうが、ゲームや動画などは1年間我慢です。
習い事は、低学年のうちは両立できているのであれば、そのまま続けて問題ないと思います。週1の習い事ならば、気分転換にもなりますし、5年生くらいまでは続けてもいいのではないでしょうか。ただうまく回らなくなってしまった時は、様子を見ながら、習い事の整理をしていきましょう。
合格のためには、勉強時間が必要なのは間違いないですが、いかに効率よく学習できるかが重要です。学習目的をはっきりさせ、時にはリフレッシュも挟みつつ、勉強時間を効果的に学力アップに繋げていきましょう。
早い段階で正しい学習習慣を身につけておくことは、中学受験にも、将来の学習にも役に立ちます。この記事を参考に再度お子さまの学習法を見直してみてください。
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