更新日:2021年12月29日
執筆:中学受験コース学習アドバイザー・S
中学受験直前期は受験生・保護者ともに不安に感じることもあるかと思いますが、これまで頑張ってきたことを成果につなげるために、どのように過ごすかが重要です。入試直前までお子さまは成長し続けます。そこで今回は、直前期である入試1カ月前に取り組むべき勉強や、受験直前・当日に保護者がすべきことについて解説します。
受験直前にするべき勉強
●過去問や予想問題集で「問題演習→自己採点→復習(弱点補強)」を繰り返す
この時期に徹底的に取り組んでいただきたいのは「問題演習」です。過去問や予想問題集、過去に使っていた、もしくは塾で与えられた問題集に取り組み、その中で見つかった弱点を都度補強する、ということを繰り返してください。新しく問題集を買うことはオススメしません。もしも買う場合は、併願校の過去問や予想問題集にしましょう。
●すべての弱点補強をやろうとはせず、ポイントをしぼって復習する
復習するときに大切なのは「すべてを復習しようとしない」ということです。過去問演習ならば、合格平均点を目安にし、合格平均点をクリアできるようにポイントを絞って弱点補強を進めるようにしましょう。まず取り組みたいのは知識事項の弱点補強です。次は大問ごとごっそり点数を落としている部分の復習です。大問の半分をしっかり得点できるように復習してみましょう。これまでの学習事項がきちんと身についていることを確認できるような勉強をして上手く自信につなげていきましょう。
●模試結果との向き合い方
最後の模試で思うような結果が取れなかったとしてもがっかりする必要はありません。学力は受験当日まで伸ばすことができます。返却された答案と模試の分析を並べて、理解できているところ・できていないところを親子でしっかり確認し、これまでの学習の成果を見ながら、失点の中身を明らかにして弱点補強の計画を立てて実行してみましょう。
受験直前の過ごし方
Q:受験直前、学校へは行くべき?休むべき?
A:普段通りの生活ができるよう、可能であれば行かせたい。
毎年この時期になると「受験直前は学校を休んだ方がいいですか?」という質問を受けますが、コロナの感染状況が落ち着いているようであれば、できるだけ普段通りの生活を続けられるように学校へ行かせるのが良いでしょう。学校の友だちとの何気ない会話がストレス解消になる場合もあります。
大事をとって学校をお休みし、家で勉強する場合は、時間をはかりながら過去問演習・予想問題演習に取り組む、体を思い切り動かす時間を作るなど、メリハリがつくように工夫して過ごすようにしましょう。
Q:生活リズムはやっぱり朝型にするべき?
A:入試当日に備え、徐々に朝型に切り替えていく。
現在、夜型で勉強されているお子さまが多いかと思いますが、そろそろ受験に備えて生活のリズムを整えていきましょう。入試当日に8時間睡眠を確保した上で試験開始時間3時間前には起きることができるのが理想的です。入試前日だけ早く寝て早く起きるということは難しいので、入試1カ月前からを目安に朝型の生活リズムへ徐々に切り替えていってください。
親ができること
●子どもの「不安」に寄り添う
受験が近づいてくると、人間誰しも不安になるものです。不安にのまれないようにするためにも、保護者の方にはどっしりと構えてお子さまの不安に寄り添ってあげてください。追い込み期間中お子さまの勉強の様子に不満を感じることもあるかもしれませんが、気持ちよく入試当日を迎えられるよう、あまり細かいところまで干渉せずに大きな気持ちで見守っていただけたらと思います。
●受験の手続きは漏れなくしっかりと
出願手続きも保護者の重要な仕事です。スケジュールを確認して、締切に間に合うように手続きをお願いします。出願手続きを皮切りに、受験料や入学金の振込、必要書類の準備・提出等々たくさんの手続きがあります。一つ一つの事務手続きの内容をしっかり把握し、あらかじめその手続きを誰が行うのかを決めておくとよいでしょう。
●事前に確認しておきたいこと、準備しておきたいこと
受験会場へは受験日と同じ曜日の同じ時間帯に一度行ってみることをおすすめします。当日のスケジュールは荒天や交通機関の事故などの可能性も考慮して、受験会場の最寄り駅に試験開始1時間前に到着できるようにスケジュールを組み、迂回ルートも考えておきましょう。また、受験当日何かあったときにすぐに学校へ問い合わせできるよう、あらかじめ学校の緊急連絡先や学校のサイトのURLをスマホなどに登録しておきましょう。
受験前日・当日の注意点
~受験前日~
持ち物チェックをしよう
募集要項などを確認しながら、必要なものを準備しましょう。持ち物はお子さまが準備をし、漏れがないかを保護者がチェック、チェック後お子さま自身でカバンに入れるようにします。
・漢字などが印刷されている筆記用具
鉛筆の表面に漢字などが印刷されている(合格祈願鉛筆に印刷されている「合格祈願」など)と「不可」になる場合があるので注意。
・計算機能のある腕時計
計算機能付きのデジタル式腕時計は不可の場合がありますので、アナログの腕時計を持っていくと安心です。
~受験当日~
時間に余裕を持って行動しよう
受験当日は時間に余裕をもって行動しましょう。事故や降雪などで交通機関が乱れているようならば、学校の緊急連絡先へお問い合わせを。必要ならば事前に準備した迂回ルートを利用するなど、落ち着いて対応してください。
試験の休み時間には答え合わせは絶対にしない!
お子さまに、試験中の休み時間にお友だちと答え合わせはしないようにと伝えましょう。また終わった教科について「問題が難しかった、簡単だった」という話をすることも厳禁です。お子さまには、次の教科に意識を集中して、簡単に知識チェックできる問題に取り組むように伝えてください。
~合格発表が始まったら~
合格した場合は入学手続きを行います。当たり前ですが、手続き期間を過ぎると手続きをすることはできません。くれぐれも手続きの締切日・締切時間をしっかりと確認して絶対に遅れないようにしてください。
子どもたちは受験期間中もなお成長し続けます。お子さまにはまだまだ伸びしろがあるということを忘れずに、あたたかく見守ってください。お子さまのこれまでの努力を信じて、試験当日、最大限の力を発揮できるように最後までサポートをよろしくお願いします。
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