2023年度の共通テスト振り返り(理科・地歴公民)

投稿日時:2023年2月26日
大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の本試験が1月14、15日に実施。今回は理科と、地理歴史・公民の出題を振り返ります。(Z会中高事業本部・長谷川大輔、山崎駿也)
共通テスト理科:実験結果の考察が重要
2022年度に引きつづき、あたえられた条件や実験結果などから論理的に考える力や本質的な理解を問う出題がみられました。
物理では「コンデンサーの電気容量を測定する実験」について出題。実験結果のグラフと電流の定義にかんする知識を組み合わせ、コンデンサーの電気容量を求める問題や実験方法を検討する問題など、実験や測定の結果があらわす意味を理解し、データを適切に活用する能力、論理的な思考力が問われました。前回と同様に予想が誤りであるといえる理由を考える問題も出題されました。
化学では、測定結果を方眼紙にあらわして処理する問題や、各大学が実施する個別の試験(2次試験)レベルの問題もありました。
共通テスト理科:幅広く正確な理解も問われる
一方、知識事項について幅広く正確な理解が問われる場面もありました。たとえば生物では、問題文や実験結果から考察したうえで、正解を導くために正確な知識が求められる出題も……。難易度が高く、ほかの科目との差が大きくなったことから得点調整がおこなわれました。
基本的にすべての範囲から出題されるので苦手分野があると、得点を積み重ねるのはむずかしいといえます。「抜け」「もれ」がないように学習を進め、基本的、典型的な問題の演習を通して知識事項や公式などを定着させ、すぐ引き出せるようにすることが最優先となります。
共通テスト地理歴史・公民:資料をすばやく読解することが必要
2022年度と同じように資料問題が多く出題され、その読解力が求められました。文献史料や地図、模式図、統計表といった多様な資料に加え、リード文や会話文のほか、メモや説明文からも情報を読み取り、それらの読解を要する問題が多くみられました。
日本史では、1問に複数の文献史料が提示され、資料から読み取る情報と日本史の知識を活用して解答する問題が出されました。また、1問のなかに統計表と史料文が提示され、二つの内容を理解して解答する問題などもありました。
難易度は標準レベルですが、読み取りに時間がかかるので、すばやく読解する力が求められます。資料集や地図帳など、さまざまな資料に日ごろから触れ、着眼点を磨いておくことが大切です。
共通テスト地理歴史・公民:知識の習得も必要不可欠
基本的な知識事項の習得も必要です。共通テストでは教科書レベルの知識を活用して解答する問題もあります。
現代社会が一例。日本経済の変遷を取り上げ、各時期の経済状況を特定するキーワードを理解しているかどうかが問われました。知識を運用する問題のほかにも、資料の内容と知識を組み合わせて解答するタイプの問題もみられます。
このように基礎知識も共通テストを攻略する「かぎ」になることから、教科書や用語集などを用いて基礎をしっかりかため、共通テスト形式の問題で力を高めていきましょう。
※この文章は「朝日中高生新聞」に掲載されています。
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