共通テスト【情報】出題範囲・対策アドバイス

大学入学共通テストの「情報」についてＺ会が解説。出題範囲や試作問題から読み取れる求められる力などをわかりやすくご説明します。（「Ｚ会の通信教育」渡井謙）

• 出題範囲・求められる力
• 試作問題から対策を考える
• 中学生・高校生への学習アドバイス
• ＜Ｚ会でできる入試対策・ご案内＞

出題範囲・求められる力

2025年度からの大学入学共通テストで課される教科「情報」（科目は「情報Ⅰ」）は、大きく

1. 情報社会の問題解決
2. コミュニケーションと情報デザイン
3. コンピュータとプログラミング
4. 情報通信ネットワークとデータの活用

という四つの分野から構成されています。

大学入学共通テストの性格などを考えた場合、これらすべての分野から出題されることはほぼまちがいないでしょう。

これらの分野は独立したものではなく、それぞれが関連しあっています。そのため、複数の分野が融合したかたちでの出題も想定されるのではないでしょうか。テーマや考察の対象に、数学や理科などで学んだことが題材になることも考えられます。したがって、知識事項を単独でおぼえるのではなく、ほかの教科や科目もふくめ、学んだことと関連させて理解していく学習が必要です。ほかの教科や科目の知識を横断的に活用する力が求められるでしょう。

試作問題から対策を考える

大学入試センターがすでに公表している試作問題のなかから、いくつかの出題についてみていきましょう。

試作問題の第3問

試作問題の第3問は「プログラミング」がテーマです。大学入学共通テストで用いられるプログラムは、大学入試センターが定義する疑似言語で記述されます。「それならば、その疑似言語についての対策をしなければならないのではないか」という疑問がわいてくるかもしれませんが、その必要はありません。なにかしらの言語によるプログラミングの経験と、論理的に考えることが求められており、疑似言語に特化した取り組みは不要です。

試作問題で取り上げられているプログラムについて、みなさんが使ったことのある言語を用い、実際に作成してみるのが効果的な対策の一つです。プログラムをつくるときの考え方を、そのまま言語にしていることにきっと気がつくはずです。

試作問題の第4問

第4問は「データ分析」で、試作問題では参考問題としてもう1問が提示されています。いずれの出題も箱ひげ図や折れ線グラフの読み取りといった基本的な事項から、回帰分析のほか、正規化や自己相関、移動平均など、いま世の中で注目を集めているデータサイエンスの領域で用いられる考え方までを題材に盛り込んでいます。

問題を解くにあたり、ほかの出題と同じように特別な知識の習得を前提とはしていません。「情報」という教科で学ぶ内容が、データサイエンスなどに直結していることを実感できる出題ともいえそうです。

※「令和７年度試験の問題作成の方向性、試作問題等」の「試作問題『情報Ⅰ』※令和４年12月23日一部訂正」を加工して作成
試作問題及び試作問題の概要等は、大学入試センターのWebサイトよりご確認ください。
大学入試センター 令和７年度試験の問題作成の方向性、試作問題等

中学生・高校生への学習アドバイス

来春の大学入学共通テストを考えるとき、

• 第1問が小問集合
• 第2問が分野融合問題
• 第3問がプログラミング
• 第4問がデータ分析

といった構成が考えられ、この内容は大幅にかわることはないのではないかとみられます。
試作問題だけではなく、大学入試センター試験や大学入学共通テストで出題された「情報」に関連する過去問を解くことも効果的です。

中学生は、いまの学びが「情報」を理解するための基礎につながることをイメージしながら勉強を進めてほしいと考えます。

【朝日中高生新聞4月14日号から】

おすすめ問題集・参考書、学習ペースについての具体的な対策アドバイスは「共通テスト相談室2024年6月号」記事もご覧ください。

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