共通テスト【地理歴史・公民】指導担当者による対策アドバイス

投稿日時:2024年11月18日
大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の「地理歴史・公民」についてZ会の指導担当者が解説。出題傾向や求められる力などをわかりやすくご説明します。(「Z会の通信教育」大学受験地理歴史担当・荒川裕子)
2025年度試験の変更点 ―2科目1セットで一つの試験科目に―
今回は地理歴史・公民について取り上げます。2022年度から施行された高校での新しい学習指導要領にのっとり、地理歴史は必修科目が「歴史総合」「地理総合」、選択科目が「日本史探究」「世界史探究」「地理探究」、公民は必修科目が「公共」、選択科目は「政治・経済」「倫理」といったラインアップになっています。
大学入学共通テストも新しい学習指導要領に沿った内容になり、主に現在の高校3年生が受ける2025年1月から大幅に見直されます。先に挙げた科目を単独で受験するかたちではなく、基本的に2科目1セットで一つの試験科目となります。組み合わせは原則として必修科目プラス選択科目とされています。
また、文系の大学・学部を中心に大学入学共通テストで二つの試験科目を課すところもあります。二つの試験科目を選択する場合、たとえば「歴史総合・日本史探究」と「歴史総合・世界史探究」の歴史系科目の組み合わせは認められていますが、公民の「公共・倫理」と「公共・政治・経済」の組み合わせは認められていません。二つの試験科目の組み合わせについては注意が必要です。
必修・選択まんべんなく対策を
大学入試センターが公表している大学入学共通テストの試作問題では、100点満点のうち必修科目の配点が25点、選択科目の配点が75点でした。このことから高得点をねらうには必修科目・選択科目ともまんべんなく学習することが大切だとわかります。
出題傾向としては、これまでの大学入学共通テストと同じく基本的な知識事項を問う出題はもちろんですが、資料(史料)から情報を読み取り、知識と結びつけて正答を導くという問題が数多く出題されることになりそうです。文献や絵図、グラフといった資料が多用され、身につけた知識を活用して判断したり、論理的な思考が必要になったりすることで一問一問を解くための時間は増加する傾向にあります。このため、知識事項の暗記にとどまらない対策が求められます。
中学生・高校生への共通テスト対策アドバイス
中学生:歴史は世界の動きも
中学の歴史では日本史の学習が中心になりますが、同じ時期の世界の動きにも目を向けてください。世界のなかでの日本、日本と世界の国々との関係といった歴史のとらえ方は「歴史総合」の学習でも求められます。日本の歴史を基盤としながら、それぞれの時代に世界とどのようにかかわり、どのような影響を受けたのかを考えながら学習してください。また、「歴史総合」「世界史探究」の学習では世界の地理の知識があると有利です。各地域や主要国の位置関係や特色も覚えておきましょう。
高校生:授業を対策の軸に
大学入学共通テストを受ける場合、必修科目の「地理総合」「歴史総合」「公共」については、少なくともいずれか1科目が必要になります。地理歴史・公民に対する受験対策は、着手するのがつい遅くなりがちですが、高1や高2のうちから「受験」を意識して取り組めば、あとで焦ることはありません。「必修科目の授業をしっかりと聞いて、定期テスト対策を通して重要事項をインプットすることで、受験対策の基盤をつくっておく」。こうした姿勢で日々の学習を大切にしてください。
【朝日中高生新聞11月17日号から】
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