共通テスト【国語】指導担当者による対策アドバイス
投稿日時:2023年5月25日
大学入学共通テストの「国語」についてZ会の指導担当者が解説。センター試験との違いや求められる力などをわかりやすくご説明します。(「Z会の通信教育」大学受験国語担当・前納貴裕)
共通テストの国語:試験時間・配点・大問構成
大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の国語は、試験時間が80分で配点は200点。4つの大問から構成され、近代以降の文章(現代文)が2問(計100点)、古文が1問(50点)、漢文が1問(50点)といった具合です。
ただし、いまの高2のみなさんが受ける2025年度(25年春に入学する学生向けに25年1月に実施予定)からは試験時間が90分になります。2022年11月に公表された試作問題では、大問が1問増えており、近代以降の文章で図やグラフが多く盛り込まれた出題となっていました。
共通テスト国語では、「複数の文章を横断的に理解する力」が必要
国語では、複数の文章・資料を組み合わせた出題が続いています。
たとえば第1問の評論では、昨年度に引き続いて〈同一のテーマ・引用文に関する複数の文章〉が出題されました。内容上の共通点・相違点がどこにあるのかに注意しながら、2つの文章を読み比べる必要がありました。
また、第2問の小説では、本文と同時代の広告(イラスト含む)が【資料】として取り上げられ、本文全体のモチーフや表現効果について考察する問題が出題されました。複数の情報を整理・統合する力が試されています。
〈授業の会話場面や生徒の学習活動を想定した出題〉もそれぞれの大問で見られ、各大問で複数の文章・資料を見比べる負担感は大きかったものと思います。
新聞や法律などの「実用的な文章」も出題の可能性がある
共通テストの「問題作成方針」をみると、図表やグラフなどの資料がもり込まれた新聞記事や、法律の条文といった「実用的な文章」を含むことが明示されています。共通テストの構成や難易度をさぐる目的で事前におこなわれた「試行調査」でも出題されていました。実際の共通テストではまだ表立った出題はみられませんが、実用的な文章についても対策が必要なことにかわりはありません。
柔軟な思考力や判断力などを高めることが求められる一方、語句・文法の正確な知識をもとに評論文、小説や随筆などの文学的文章、古文・漢文の長文を読み通す力を養成することも忘れないようにしてください。確かな「土台」を築いたうえで共通テストに対応する問題の演習を重ねることが大事です。
中学生・高校生への共通テスト対策アドバイス
中学生:新聞記事を活用しよう
中学生におすすめしたいのが新聞を読むことです。「実用的な文章」を実感してみるという側面もありますが、新聞にはグラフや写真、図表が数多く用いられています。記事を読むことで、文章以外の資料から総合的に情報を読み取るトレーニングになるのではないでしょうか。
同じ出来事を取り上げている複数の記事を読むのも効果的。複数の情報から自分の考えをまとめる練習に活用できます。
高校生:早いうちに「読解力と知識の土台」をつくろう
試験時間に対する問題量が多く、解くスピードが要求されることも共通テストの特徴の一つですが、まずは「提示された問題文・資料を正確に読み取ることができる力(=読解力)」「基礎となる知識事項」を蓄えることが大切です。本番でどのような文章が出題されても対応できるようにするには、国語の学習を後回しにせず、早い時期から問題演習を重ねて多くの問題に触れておきましょう。
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