共通テスト 2021年度の分析&対策の指針

共通テスト詳細分析。はじめての共通テストを科目ごとに分析。

はじめての大学入学共通テスト(2021年度)を詳しく分析!

Z会では、2021年1月16日・17日に実施された共通テスト初年度(第1日程)の試験問題を分析。出題分析と対策の指針を公開しています。

各科目の詳細分析記事一覧

共通テスト初年度(第1日程)の試験問題について、科目ごとに分析。Z会の大学受験担当者が、出題内容と攻略のポイントを詳しく解説します。 英語リーディング  英語リスニング  数学Ⅰ・A 数学Ⅱ・B  国語  物理 化学  生物  日本史B 世界史B 地理B 


理科基礎・公民の分析も公開中!

化学基礎 生物基礎  地学基礎  現代社会 倫理 政治・経済 倫理、政治・経済 

総括と学習の指針

共通テスト初年度(第1日程)について、Z会の大学受験指導責任者が「総括」と「学習の指針」を解説します。各教科から特徴的な出題傾向を取り上げ、来年度以後受験する皆さんに「どのような学習が求められるか」をお話します。(「Z会の通信教育」中高事業本部大学受験指導課課長 中村一貴)

※以下、2021年1月22日時点での情報に基づくものです。以後実施される共通テスト第2日程や、追試験の出題については参照できておりません。また、各科目の得点状況は、2021年1月20日大学入試センター公表の中間集計のみを参考にしております。

各教科の特徴的な出題

各教科とも、事前に公開されていた試行調査の出題方針がベースになっていますが、全体を通して

  • 読み取るべき資料等の分量が増加した。
  • 複数の資料から適切に情報を読み取り、その情報を活用し、他の資料や教科書での学習内容とを結びつけて考察する力がこれまで以上に問われるようになった

点が大きな特徴といえます。科目ごとに特徴的な変化を見ていきましょう。

英語(リーディング・リスニング)

最も変化が大きかった科目といえます。 リーディングでは、発音・アクセント・語句整序といった「知識」を単独で問う問題がなくなり、全て読解問題に変わりました。センター試験と比較すると、英文の分量が大幅に増加。過去2回行われた試行調査とは同程度の分量ですが、時間が足りないと感じた受験生も多かったようで、こうした分量増加に備えた対策をどれだけ積んでいたかが、カギとなりました。 リスニングも、センター試験から読み上げ音声が400語程度増加しましたが、こちらも試行調査とほぼ同じです。英文の読み上げが1回しかない出題もあり、試行調査で示されていた出題とはいえ、リスニング対策が不十分な受験生は苦戦したようです。次年度以後も、リスニングについては早期から十分な対策が必要になることは間違いありません。

数学

数学Ⅰ・Aでは、センター試験より解答時間が10分伸び、単なる数値を求める問題だけでなく、「正しい(あるいは誤っている)選択肢を選ぶ問題」「具体的な実社会での設定がなされそれに対して数学を適用し解釈をしていく問題」「複数の登場人物が会話をしておりその人物の考えを踏まえて解答していく問題」など、これまでのセンター試験ではあまり見受けられない問題が多数出題されました。 たとえば、第2問 〔1〕は、陸上競技を題材に、実社会の事象を数学を用いて考察していく問題です。数学の内容は難しくないですが、条件や設定の説明が長く、読解力が求められました。必要な情報を素早く正確に読み取る力が要求され、対策ができていないと、時間がかかってしまいます。

国語

試行調査で示されていた方針にそって、第1問から第4問までのすべての大問で、「問題文とは別の文章・資料を参照して解答する問題」や「問題文で与えられている複数の文章を総合的に考えて解答する問題」が出題されました。それぞれの文章・資料の内容を見比べて、その共通点や違いを整理しながら、問いに合わせて理解した内容を再編集する必要があります。「与えられた問題文の内容を正しく理解する」という従来型の読解力だけでなく、理解した内容を整理し、他の文章や資料を理解するために活用していく読解力も求められるようになりました。 他方で、契約書や規約などの「実用的文章」が問題文として提示されることはありませんでしたが、この傾向が継続するかは不明です。文章以外の、図版や統計資料もふくめて、複数の資料の情報を結びつけて考える力を問う出題は、次年度以後も必ず対策が必要です。

理科、地理歴史・公民

試行調査の出題方針をベースに、科目によってその反映度合いにはばらつきがありました。 化学では試行調査で見られたような目新しい出題形式は減り、センター試験の形式を踏襲した出題が中心になりましたが、その結果負担感は試行調査よりむしろ増加し難化。化学の平均点が他科目よりも大きく下がり、化学を含む理科②では、科目間に20点以上の平均点差が生じたため、得点調整を行うことが公表されました。 地理歴史では、資料読解の負担が増加したのは試行調査通りですが、他方で、読解した内容だけではなく、正解の判断には正確な知識も求められました。共通テストの出題方針は、決して知識を軽視しているわけではない、という点には注意が必要です。 公民でも科目間に20点以上の平均点差が生じ、得点調整を行うことになりました

対策の指針

1.さまざまなタイプの出題に備えた十分な対策が必須!

試行調査で示されていた傾向変化をしっかりと見据えて、こうしたタイプの問題演習に十分に取り組んできた受験生は、本番でも力を発揮できたようです。全体としての平均点も、中間集計を見る限りでは昨年度から大きく下がってはいないようですが、対策の有無によって、個々の力の差は例年以上に開いているかもしれません。 試行調査等で示されたタイプの問題が出題されなかったからといって、今後も出題されないと判断するのは非常に危険です。今年度出題がなかったタイプの問題も、次年度以後出題されないとは限りませんこれから数年間は、出題方針の微調整や試行錯誤が続くとみて間違いないでしょう。今年度の出題だけでなく、試行調査での出題にも目配りしつつ、出題が予想されるさまざまなタイプの問題演習に、バランスよく取り組んでおくことは必須です。


2.基礎知識の習得も確実に!

「読解力」という側面にばかり気を取られて、基礎知識の習得がおろそかになることも、要注意です。今年度の出題でも、基礎知識の正確な理解がなければ解けないタイプの出題は多くあり、またそうした問題で差がつきやすい傾向もありました。知識の正確な理解と定着は、これからも変わらず重要です。


3.早期から「入試を見据えた学習」を!

科目数も多い共通テスト対策を着実に進めるためには、高1高2の段階から、計画的に学習を進めることが大事です。また、全科目で求められる文章の読解力や、共通テストになって大きく配点の比重が上がった英語のリスニングなどは、短期間での対策が難しいです。「受験生になってから」ではなく、早期から対策に着手しましょう。学校の授業だけでなく、入試を見据えた学習にも少しずつでも取り組んでおくことが、必須です。

Z会を活用した共通テスト対策を

これからの共通テスト対策として必要なことは

  • 土台となる読解力の養成や、正確な知識の習得に、早い時期から力を注ぎ
  • 出題が想定されるタイプの問題には、幅広く取り組んでおき
  • 試験本番の分量感をふまえ、時間配分も意識した実戦形式の演習にもしっかりと取り組んで
  • 個別試験対策との時間配分のバランスにも注意して、全科目まんべんなく対策を進めること

です。 Z会の通信教育の「共通テスト攻略演習」は、毎月の演習を通して、上記の対策を段階的に進めていく講座です。6教科17科目セットなので、全科目まんべんなく対策を進めることができ、共通テストでの高得点が狙えます。 Z会を活用して、これからの共通テスト対策を効果的に進めましょう!

Z会の共通テスト対策講座

◆[専科]共通テスト攻略演習
共通テストの傾向をふまえた教材に取り組みます。毎月の演習で、基礎固めから最終仕上げまで段階的に対策を進められます。

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