共通テスト 2022年度の分析&対策の指針

共通テスト詳細分析。共通テストを科目ごとに分析。Z会では、2022年1月15日・16日の共通テストの試験問題を分析。出題分析と対策の指針を公開しています。

 

 

各科目の詳細分析記事一覧

Z会の大学受験担当者が、共通テストの試験問題を科目ごとに分析。今年度の出題内容と次年度に向けた攻略のポイントを詳しく解説します。

 

英語リーディング 英語リスニング 数学Ⅰ・A 数学Ⅱ・B 国語 物理 化学 生物 日本史B 世界史B 地理B


化学基礎 生物基礎 地学基礎 現代社会 倫理 政治・経済 倫理、政治・経済

 

2021年度の分析記事はこちら 

 

総括と学習の指針

2022年度共通テストについて、Z会の大学受験指導責任者が「総括」と「学習の指針」を解説します。各教科から特徴的な出題傾向を取り上げ、次年度以後受験する皆さんに「どのような学習が求められるか」をお話します。(「Z会の通信教育」中高事業本部大学受験指導課課長 中村一貴)

※以下、2022年1月24日時点での情報に基づきます。

 

各教科の特徴的な出題

各教科で、公開されている共通テストの問題作成方針を、前年以上に強く反映した出題が目立ちました。資料の分量や数が昨年度よりさらに増加し、多くの資料から適切に情報を読み取る力や、資料の内容を学習内容と関連付けて考察する力などが問われました。この結果、大学入試センター発表の中間集計では、前年より平均点が下がった科目が多く、全体的に難化したといえます。


英語(リーディング・リスニング)

リーディングでは、21年度よりもさらに読解量(語数)が増えました。(21年度はセンター試験と比較して1000語程度語数が増加しています。)多少の変化は見られたものの、設問形式・難易度共に昨年度から大きな変化はなく、英語力に加えて、短時間で多くの情報を処理する速読速解力が求められました。語数増加に備えた対策をどれだけ積んでいるかで差がつく問題になっています。 リスニングも、英文の読み上げが1回しかない、アメリカ英語以外の英語も使われる、表やグラフなどを読み込んだ上で、聞き取った内容から素早く正答を導き出す必要があるなど、形式・難易度共に21年度から大きな変更はありません。リスニングにおいても高い情報処理能力と形式への慣れが必要とされています。安定的に高得点を狙う人は、時間配分・出題形式を本番に合わせた実践的な演習を数多く積み、どのような形式で出題されても必要とされる情報に素早くアクセスできるようにしておく必要があります。


数学

数学では、数学I・数学A第3問のプレゼント交換を題材とした確率の問題や、数学II・数学B第4問の歩行者と自転車の位置を題材とした数列の問題など、これまでのセンター試験ではあまり見受けられないような新傾向の問題が多数出題されました。全体的に、共通テスト初年度の2021年度より、本来の共通テストの主旨に近い出題を意識しているように感じられます。また、今年は数学I・数学Aの必答問題(第1問、第2問)の難易度が2021年度に比べて高くなっており、全体的に難しくなっています。2021年度は必ず得点しなければならない設問がある中問が多かったのに対して、2022年度はこのような設問が減り、加えてヒントとなるような記述が少なくなったことが要因と考えられます。問題が解けることだけが大切なのではなく、平面から空間(2次元から3次元)への拡張、発展的な知識の類推など、ある知識を得て「何かに発展できないだろうか」という探求心を日ごろからもって学習しましょう。


国語

国語では第1問、第3問、第4問で「問題文で与えられている複数の文章を総合的に考えて解答する問題」が、第2問では「問題文と関連性のある俳句をもとに文章を解釈し直す問題」が出題されました。それぞれの文章・資料の内容を見比べて、その共通点や違いを整理しながら、問いに合わせて理解した内容を再編集する必要があります。「与えられた問題文の内容を正しく理解する」という従来型の読解力だけでなく、理解した内容を整理し、他の文章や資料を理解するために活用していく読解力も求められるようになりました。試行調査と異なり、契約書や規約などの「実用的文章」が問題文として提示されることはありませんでしたが、この傾向が継続するかは不明です。文章以外の、図版や統計資料もふくめて、複数の資料の情報を結びつけて考える力を問う出題は、次年度以後も必ず対策が必要です


理科、地理歴史・公民

理科では、物理や地学基礎など一部の科目で2021年度から形式の変化がありました。また、生物は2021年度第一日程と比べ平均点が大きく下がりました。化学のようにセンター試験を踏襲した出題が中心となる科目もありましたが、全体として、教科書の分野にとらわれず、実験結果などから論理的に考える力や本質的な理解を問う出題が見られました。 地理歴史では、2021年度と同様に資料問題が多く出題され、資料読解力が求められました。また、解答を導くためには正確な知識も必要であり、共通テストの出題方針は、決して知識を軽視しているわけではない、という点には注意が必要です。 公民では、複数資料の読み取りの他、政治・経済の仕組みや思想の内容を正しく理解していることが求められました。


対策の指針


1.時間内に多くの資料を読み解く読解力・情報処理の力が不可欠

センター試験と比較して、ほとんどの科目で、読み解くべき文章や資料の分量が増加し、時間的に非常に厳しい試験になっています。短時間で、多くの資料から適切に情報を読み取り、解答に必要な情報に正しくアクセスし、他の資料や教科書の学習内容と結びつけて考察する力が問われます。これが全科目で問われることから、共通テストは、負荷の大きい非常にハードな試験になっています。「読解力の養成」「知識を深く理解して応用する」「未知の設定でも知識を正しく活用して論理的に考察する」という姿勢を常に意識した学習の積み上げが求められます。


2.基礎知識の習得も確実に!

「読解力」という側面にばかり気を取られて、基礎知識の習得がおろそかになることも、要注意です。今年度の出題でも、基礎知識の正確な理解がなければ解けないタイプの出題は多くあり、またそうした問題で差がつきやすい傾向もありました。知識の正確な理解と定着は、これからも変わらず重要です。


3.早期から「入試を見据えた学習」を!

科目数も多い共通テスト対策を着実に進めるためには、高1高2の段階から、計画的に学習を進めることが大事です。また、全科目で求められる文章の読解力や、共通テストになって大きく配点の比重が上がった英語のリスニングなどは、短期間での対策が難しいです。「受験生になってから」ではなく、早期から対策に着手しましょう。学校の授業だけでなく、入試を見据えた学習にも少しずつでも取り組んでおくことが、必須です。


Z会を活用した共通テスト対策を

これからの共通テスト対策として必要なことは

  • 土台となる読解力の養成や、正確な知識の習得に、早い時期から力を注ぎ
  • 出題が想定されるタイプの問題には、幅広く取り組んでおき
  • 試験本番の分量感をふまえ、時間配分も意識した実戦形式の演習にもしっかりと取り組んで
  • 個別試験対策との時間配分のバランスにも注意して、全科目まんべんなく対策を進めること

です。

Z会の通信教育の「[専科]共通テスト攻略演習」は、毎月の演習を通して、上記の対策を段階的に進めていく講座です。6教科17科目セットなので、全科目まんべんなく対策を進めることができ、共通テストでの高得点が狙えます。 Z会を活用して、これからの共通テスト対策を効果的に進めましょう!

Z会の共通テスト対策講座

◆[専科]共通テスト攻略演習
共通テストの傾向をふまえた教材に取り組みます。毎月の演習で、基礎固めから最終仕上げまで段階的に対策を進められます。

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