共通テスト学習相談室(2023年5月号)

投稿日時:2023年5月25日

今回は、この春に寄せられた質問を中心に紹介。「教えてZ会!」(Z会員の質問相談窓口)に寄せられた質問の中から、共通テストに関するものをピックアップしました。入試のプロであるZ会の高校学習支援担当のアドバイスを、ぜひ参考にしてください!

 

共通テスト対策の学習計画について

受験生の悩み

共通テストの対策、過去問演習はいつから始めたらいいですか?

科目は国語と地理です。国語は文法、句法、単語の暗記の途中です。地理は特に何もしていません。

【高3、北海道大学総合入試 理系 志望】

Z会がお答えします!

学習支援担当

国公立大学を受験する場合は、基本的に2次試験で利用する科目は2次試験対策を中心に学習をしていきましょう。

2次試験対策を中心に行っておくことで、基本的な問題への対応は出来るようになるので、あとは過去問等を用いて形式に慣れる練習をすることになります。そして、国語や地理のように2次試験で利用しない科目に関しては、まず知識のインプットに励みましょう。そのため、現在国語の学習として古典の文法や単語等を学習しているので継続していきましょう。地理に関しては、徐々にでも良いので、時間を確保して知識のインプットを始めておけるとよいです。マーク形式の模試などを受験した場合に復習をしっかりと行って、新たな知識はノートにまとめておき、それを使った学習もしていくと非常に有効なインプットができるので、オススメです。

これらの基本演習やインプットを踏まえた上で演習をしていくと良いので、基本的に共通テストの過去問演習は11月後半頃、遅くとも12月からは始められるように準備をしていきましょう。地理などは後回しになりがちですが、早めから少しづつ知識を蓄えておくことで、最後に他教科の学習を優先できるようになるので、計画を立てて、学習に取り組んでくださいね。

国語:現代文の対策について

受験生の悩み

現代文は数学とは違い公式などがないので、どのように学習を進めていけばいいのかがわかりません。

例えば読む速度を速くするとか、ディスコースマーカーは印をつけるなど、具体的にどのようなことを意識して勉強をしていけばいいのか知りたいです。

【高3、慶応義塾大学 理工学部 志望】

Z会がお答えします!

学習支援担当

おっしゃる通り現代文の読み方には明確な公式などはありません。とはいえ、挙げてくださったようにディスコースマーカーを意識して読むことなど、現代文を解くうえでの「コツ」や定石はある程度ありますから、それらを身につけながら演習を重ねていきましょう。

現代文を読むうえで何より重要なのは、「本文に忠実に読むこと」です。文中にあることのみを根拠に答えることが鉄則ですから、先入観やご自身の経験などは極力加えずに、本文から読み取れる限りで答えることを意識してください。なかには独自の観点から書かれた文章もありますから、「自分だったらこう考える」「常識的に言えばこう」など、本文以外を根拠に解くことは禁物です。共通テストでは、常識的な(本文の論旨と異なる)選択肢へ誘導する「ひっかけ」選択肢も多くありますから、選択肢を吟味する際も本文とこの点が異なるから誤答、など必ず本文から根拠を探し出してくださいね。

なお、これらの現代文の解き方についてまとめた参考書として、「現代文の解法 読める!解ける!ルール36」(Z会)はおすすめです。基礎から丁寧に論理立った「解法」を身につけられる参考書ですから、もしよろしければ書店などで探してみてください。また、意外と知らない単語や表現に引っかかって思うように読めないことも多いです。英語や古文もふくめ、理解が曖昧な表現にあたったら、必ず辞書を引いて意味を確認するようにしましょう。

日本史:具体的な学習の進め方を教えてください。

受験生の悩み

日本史の学習方法についての相談です。私は理系なので日本史は共通テストでのみ使います。

効果的な復習方法、教科書の使い方のアドバイスやオススメの教材、勉強法などがあれば、教えて頂きたいです。

また、歴史の勉強では通史を頭に入れておくことが大事だとよく聞くのですが、やはり早めに一周してしまった方が良いのでしょうか?その場合、どのような方法で予習するのが効果的でしょうか?

【高3、東京大学 理科一類 志望】

Z会がお答えします!

学習支援担当

まずは復習の方法についてです。

定着度にもよりますが、基本的には教科書の素読+基礎的なアウトプットで復習していくとよいでしょう。簡素に思うかもしれませんが、日本史ではとにかく同じ教材を繰り返すことが大切です。学校で配布された教科書を読み、学校で配布された問題集などに取り組む、という方針で、復習としては十分成立するでしょう。ただ、特に問題集などを持っていない!という場合は、何か1冊購入するとよいです。おすすめは東進の一問一答、山川の『詳説 日本史ノート』、学研の『イチから鍛える日本史 必修編』などです。書店などで手に取りながら、検討してみてください。

その上で、通史に関してですが、基本的には早めに済ませることを考える必要はありません。ただでさえ二次試験の科目で対策が忙しいでしょうし、共通テストだけの科目で先取りをしてしまうと、負担が極めて大きくなります。それよりも、授業進度に合わせて学習する代わりに、1回1回の学習できちんと押さえるべき事項を押さえていくことを大切にしましょう。

 

共通テストのみで必要な受験科目の学習の進め方は?

受験生の悩み

そろそろ共通テストのみで必要な受験科目の勉強を始めるべきかなと考えています。

共通テスト対策として、山川の「大学入学共通テスト対応30テーマ世界史問題集」を購入したのですが、難しすぎてとても時間がかかりました。まだ基礎が固まっていないうちは、もっと基礎的なツールを購入して取り組んだほうが良いのでしょうか。

共通テストのみで必要な科目は「理科 化学基礎・生物基礎」と倫理、政治・経済」です。共通テストのみに必要な科目は、いつくらいまでを目安に、どれくらい(何割取れる程度等) 勉強をしたらいいでしょうか?

「倫理、政治・経済」は学校でまだ習っていないので、もう少し先に始めようかと思っています。勉強する時期と量について、アドバイスをお願いします。

【高3、京都大学 法学部 志望】

Z会がお答えします!

学習支援担当

共通テストのみで使用する科目の学習は、今のうちから定期的に取り組みつつ、本格的に問題演習に入るのは11月や12月頃から、とイメージいただくのがよいでしょう。

というのも現在第一志望である京都大学のように、共通テストよりも二次試験の得点比率が大きい大学では、当たり前ですが二次試験の対策を重点的におこなう必要があります。京都大学法学部では、理科基礎と社会科目の得点が圧縮されず反映されますが、だとしても二次試験の得点のほうがしっかり取るべきであるといえます。そのため、秋冬までの時期は、基本的には学校の授業を丁寧に受け、宿題など取り組むべきものに取り組む中で知識のインプットを進め、秋冬頃に本格的な問題演習を積む、という流れで進めるのがおすすめです。

学校の授業では物足りない場合、Z会でも「共通テスト攻略演習」という講座があり、ペースメイクとして取り組んでいただくのに最適な教材となっていますので、こちらもぜひご検討ください。

■Z会 共通テスト攻略演習 https://www.zkai.co.jp/juken/lineup-ktest-kouryaku-s/ 

もちろん、余裕があれば早めに演習を積んでおく、でも問題はありませんが、理科基礎などの対策に時間を割いたことで、英数国など二次試験で使う科目の演習が不足してしまうのはあまりおすすめできません。二次試験で使う科目の得点状況などを踏まえた上で、取り組む時間を決めていくのが良いです。具体的な得点目標については、学習した範囲をしっかり得点するイメージで取り組むのが良いでしょう。初めから全体の点数を考えて取り組むのは、そう簡単ではありません。学校の授業の進度もあるため、自分が優先的に取り組んだ範囲の問題はしっかり得点できるように目標を立てていくのがおすすめです。参考にしていただけると幸いです。

Z会からのアドバイス

 

共通テストの対策をどう進めるかについて、悩む人が増えているようです。

共通テストも個別試験も、高校の教科書内容を基に出題される試験ですから、両者の対策の大半は共通となるはずですよね。
両者の試験の形式、つまりアウトプットの部分が、客観式(マーク式)なのか、記述式メインなのかの違いでしかなく、解答に至るまでに必要な知識・技能、思考力等は、両者で区別されるものではありません。

そのため、今の時期は、入試に必要な科目の基礎を固めることを念頭に対策を進めつつ、自身の対策の方向性が正しいかどうかを、共通テストや個別試験の過去問への取り組み、あるいは模試の受験によって、適宜確認していく形で問題はありません。

共通テストのみで必要となる科目については、週1日、しかも短時間でよいので曜日を決めて取り組み、対策を継続しましょう。
Z会の『専科共通テスト対策演習』を受講されている方は、該当科目のものに取り組み、答え合わせまでを1日で完了させ、そこで見つかった弱点を、翌週に復習する形で進めると良いと思います。
なお、共通テストのみで必要となる科目は、最低でも2科目は存在するはずですので、「1周目に演習、2週目に復習」と考えると、2科目で1カ月を費やすことになります。
1日に2科目取り組む、あるいは週に2日対策の時間を設けるなど、柔軟な対応が必要になりますので、ご自身の入試科目を考慮しつつ、無理のない学習計画を立て、コンスタントに対策を進めていってくださいね。

 

(Z会高校学習支援担当 山邊圭祐)

 

Z会でできる大学受験対策

 

Z会の共通テスト対策講座

◆[専科]共通テスト攻略演習(高3生向け)
共通テストの傾向をふまえた教材に取り組みます。毎月の演習で、基礎固めから最終仕上げまで段階的に対策を進められます。共通テスト型の問題に慣れ、得意科目9割突破を狙いましょう。

 

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