共通テスト学習相談室(2024年6月号)
投稿日時:2024年6月1日
2025年1月実施の共通テストから「情報」が追加されることが決まっており、皆さんもどのように学習を進めていったらよいのか、気になっていますよね。今回は「情報」についての相談(おすすめ問題集・参考書、学習ペース)をピックアップしてご紹介します。きっと皆さんのお役に立てる内容だと思いますのでぜひご確認ください。
情報:どのように学習すればよいですか?
受験生の悩み
今年の共通テストから情報が加わりますが、どのように勉強していけばよいでしょうか
【高3、東京大学 理科一類 志望】
Z会がお答えします!
学校で「情報」の対策がある場合は、まずは学校の授業や補習にのっとって対策を進めていくことをおすすめします。対策の仕方や学習法なども一番詳しいのは学校の先生方ですから、まずは学校の授業や先生方に従って学習を進めていきましょう。
もし学校以外でも学習を進めていくのであれば。Z会や各予備校の参考書や問題集を使ってもよいでしょう。いずれも大学入試センターの「試作問題」に基づいて作成・出版されています。ご自身で書店で実際に手に取ってみてくださいね。各予備校の共通テスト模試でも「情報」は出題されるようですから、模試を通じて実力や出題傾向を確かめることもできますよ。Z会でも情報を含んだ共通テスト対策の教材がありますので、こちらもご参考ください。
▼Z会の『共通テスト攻略演習』
https://www.zkai.co.jp/juken/lineup-ktest-kouryaku-s/
情報:おすすめ参考書や問題集はありますか?
受験生の悩み
情報の共通テスト対策で、学校では自分で教材を買って対策をしてほしいと言われたのですが、何か良い教材はありますか。またはZ会の共通テスト攻略講座で十分ですか?
【高3、千葉大学 情報・データサイエンス学部 志望】
Z会がお答えします!
単に問題演習のみでなく、総合的に対策を行う場合には、参考書と問題集を両方購入されることをおすすめします。
参考書は、『学校で習っていなくても読んで理解できる 藤原進之介のゼロから始める情報1』(KADOKAWA)や『高校の情報1が1冊でしっかりわかる本』(かんき出版)などがおすすめです。しかし、使いやすさには個人差があり、さらに情報の参考書はどれも出版されて年月が浅いため、受験生の間で定着しているものはさほどありません。可能であれば、書店などでご自身の目で確かめて購入されることをおすすめします。問題集については、『共通テスト新課程攻略問題集 情報1』(教学社)がおすすめです。もちろんそのほかにも問題集は出版されていますので、ご自身に合う問題集を選んでいただいて問題ありません。
問題集1冊と、Z会の「共通テスト攻略演習」を組み合わせることで、効果的に演習が可能です。なお、学校で特別な対策がない場合、「共通テスト攻略演習」のみで対策を行うことは難しいと考えられます。「共通テスト攻略演習」は、大学入試センターから公表された「試作問題」や、「情報1」の内容とつながりの深い「情報関係基礎」の過去問の解説を「Z会学習アプリ」で配信するほか、8月には基本問題を、1月・2月には本番形式の問題を出題します。こちらはインプット教材ではないため、インプット用には参考書をお使いいただく必要があり、さらに演習量を積むためには問題集もご自身で購入いただいた方が盤石に対策が可能です。
今年度からの科目ということもあり、どのような問題が出題されるかは本番までわかりませんし、どの程度対策を行う必要があるかについても探り探りでやっていくほかありません。とはいえ基本的には教科書をベースとして出題されることですので、まずは教科書をベースに、参考書や問題集を活用して知識を固めるようにしましょう。
情報:学習ペースについて教えてほしい
受験生の悩み
私が受験する年から情報が追加されますが、現状何も準備できていない状況です。情報は今後いつ頃からどのような勉強をしていくのがベストでしょうか?
【高3、東京都立大学 理学部 志望】
Z会がお答えします!
学習ペースについて、共通テストのみで使用する科目の学習は、個別試験で使う科目ほど時間をかける必要はありませんが、対策が不十分な場合、特に秋以降に個別試験科目のための時間を削ってまで対策をする必要がでてくる可能性があります。そのため、基本的な知識のインプット(学校の授業レベル)は夏休み終わりまでにほぼ完了させて、秋始めから少しずつ共通テスト問題演習に取り組み始め、11月半ばごろから本格的な問題演習に移っていく、という流れで学習するのがおすすめです(もちろん、個別試験対策の完成度や、志望校の共通テストの配点比率によって個人差はあります)。
そして共通テストの情報科目については、「情報社会の問題解決」「情報デザイン」「プログラミング」「データの活用」の4つの学習テーマで構成されています。「情報社会の問題解決」「情報デザイン」の2テーマについては知識分野なので、教科書準拠のワークにしっかり取り組み、知識として定着させることができれば、共通テストのやや難レベルの問題にも対応できるでしょう。知識一つ一つを暗記するというよりは、複数の関連する知識を一つの流れとして覚えてしまうのがおすすめです。夏休み終わりまでを目安に、自分の言葉で他人に説明できるレベルに達していれば安心ですね。
使う参考書としては書店等で試し読みしてご自身が使いやすいと思ったものが一番なのですが、迷われる場合は、例えば『高校の情報1が1冊でしっかりわかる問題集』(かんき出版)や『情報1 大学入学共通テスト対策 会話型テキストと動画でよくわかる』(インプレス)あたりが、初学者向けで要点学習から軽い問題演習まで長く使いやすいでしょう。
一方、「プログラミング」「データの活用」の2テーマについては、実践的な内容で、自分で思考することが大切な単元だといえます。その割に、授業中での実践学習が少ない学校も多く、学校の授業とワークだけでは理解しきれない人も多いでしょう。従って、この2テーマについては、学校での学習だけではなく、実生活で活用してみたり、プログラミングを学校外で触ってみるといった自主的な学習が必要になります。やはり個別試験で使う科目ほどに力を入れる必要はありませんが、「手を動かしてプログラミングしてみる」という実践学習は夏休み終わり以降にはなかなか時間が割けないと思いますので、今のうちから細々とでも、例えば1〜2週間に1回など頻度を決めて実際に学校で習った内容の復習としてプログラミングを行うなども良いでしょう。
なお、この2テーマについては情報単独の知識だけではなく、数学の知識が必要であることが多いです。高校生がつまずきやすいプログラミングなどの単元も、数学を背景とした考え方をもとに作られているものがほとんどです。もちろん、応用問題を解くためには情報の知識も必要ですが、それ以上に手を動かして数学的に考えてみるというのが重要でしょう。数学の知識をどのように活用するかについては、実際にプログラミングを行いながら身につけていくのがおすすめですよ。
Z会からのアドバイス
今回は「情報Ⅰ」の対策についての相談を取り上げました。
入試問題として「情報」が扱われるのは初めてですので(実際は旧課程で「情報関係基礎」は出題されていましたが)、対策に悩むのは全受験生共通です。誰もが未知の問題に取り組むことになりますので過剰に心配はせず、できることをしっかり行うことで、対策を行うべきです。
そうは言っても、ある程度対策の指針がないと、不安は増大する一方でしょうから、基本的な対策方針を列挙します。
- 教科書全範囲の理解と、知識の習得は必須。
- 大学入試センターの「試作問題」に取り組み、出題形式をイメージする。
- Z会の「共通テスト攻略演習」や市販の共通テスト問題集を用いて、演習を行う。
上記のように列挙すると、他科目の対策と同一であることは明らかです。過去問や類似問題の数が少ないので、「3」で用いるツールを準備することが大変でしょうが、その他は他科目の対策と変わりはありませんので、基礎の確立、問題演習をしっかり行ってください。実戦問題が不足するからと、旧課程の「情報関係基礎」の過去問を用いる人は、以下の点に気を付けてください。
- 必ず最新年度のものから遡ること(年度が新しいほど、「情報Ⅰ」の内容に近くなるため)。
- 第1問は、知識や計算力の確認に最適だが、「情報Ⅰ」は「知識を使う」ことに重点を置かれる出題になると予想されるため、確認程度に用いること。
- 第2問は、「思考力」を鍛えるつもりで取り組むこと(「情報Ⅰ」とは出題形式が大幅に異なると予想される)。
- 第3問は、プログラミングの問題対応力養成に最適だが、「情報Ⅰ」の方が易しくなる想定なので、深追いはしないこと。
- 第4問は表計算ソフトの利用を前提とした出題のため、「情報Ⅰ」の出題形式とは、異なる想定。データの分析の観点で利用すると割り切るなら、トレーニングになりそう。
Z会でできる入試対策・ご案内
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