共通テスト学習相談室(2023年9月号)

投稿日時:2023年9月22日

夏休みが終わり、皆さまいかがお過ごしでしょうか。今回はこれからの学習アドバイスをお届けします。

 

夏休みの学習の遅れを二学期に取り戻すことはできますか?

受験生の悩み

夏休みに思うように学習時間を確保できず、もっとやっておけば良かったと後悔しています。

勉強効率も良くない上に時間もこなせていないとなると、どうしたらいいかわかりません。
二学期にどうにかこの遅れを取り戻せるでしょうか。

【高3、東京大学 文科二類 志望】

Z会がお答えします!

学習支援担当

毎日どれくらいの時間、勉強できるかは本当に人によりますし、何時間以上勉強すれば合格する、ということはありません。大切なのは量よりも質です。

基礎固めにおいては、量をこなすことも大切になってきますが、これから応用問題や過去問など実戦的な問題を解いていく時期においては特に質が大切になってきます。過去のことはもう変えようがありませんから、大切なのはこれからどうするか、です。その際には、遅れを取り戻そうという発想よりも、今後自分に必要なことを行うために勉強する、という意識を持って勉強してください。

夏休みに冠模試なども受けたと思います。それらを分析して自分の苦手な部分、弱点を炙り出し、それを克服するにはどうすればいいのか考え、学習計画を立てましょう。1ヶ月、1週間、1日という大きな単位から小さな単位へとやることをリストアップし、それを実践してください。合格のために何が必要かを考え、計画を立て、それを実践すれば、質は確保できます。そして何をやればいいのかわかっていれば、自ずと時間も確保できます。一定時間勉強することを目標にするのではなく、やらなければいけないことをやることを目標にしてください。

学習計画を立てるにはそれなりの時間がかかりますが、これは必要な時間ですので、焦って無計画に勉強することがないようにしてください。まだまだ時間はありますし大切なのは質です。一日一日を大切に頑張っていきましょう!

 

新学期からの学習方針についてアドバイスをお願いします。

受験生の悩み

夏休みは部活動が忙しく、満足のいく勉強をすることができませんでした。

各教科ごとの状況としては、
数学:青チャートの例題でも解法が浮かばないことがあり、共通テストもあまり点が取れない。英語:まだ単語帳が完璧ではなく、文法があやふやなところもある。理科基礎:演習が積めていない。共テのみの世界史:産業革命以降復習できていない。二次で使う地理:問題集が半分終わったところ。国語:比較的得意ですが、古文の単語が完璧ではないし、演習も積めていない。

状況が絶望的すぎて、もし来年浪人したら何をしようか、などと考えてしまい、今年の受験勉強を諦めかけてしまう時もあります。夏期講習に行った塾がよかったので、塾に行こうかとも考えているのですが、塾の進度と私の進度があっていない気がするし、今からやり方を変えて大丈夫なのか不安です。このまま日々が過ぎるのはとても嫌なので、勉強しようとはするのですが、希望が持てません。どうしたらよいのでしょうか…?

【高3、京都大学 総合人間学部 志望】

Z会がお答えします!

学習支援担当

まずは、部活動お疲れ様でした。後悔は勿論有ると思いますが、過去は変えられません。これからは勉強に専念できますし、自分次第で変えていけます!前を向いて、動いていきましょう。

相談内容から、ご自分に足りない部分は十分に認識できていると思いますので、それを克服するために何をすればいいのか考え、計画を立て、実行していくだけです。 周りとの進捗の差を気にして手を出せず、ただ焦りだけが増す気持ちはよく分かりますが、手を動かしましょう。手を動かし始めたら、意外とその先はあっという間です。手を動かし始めるための2つのヒントをお伝えします。

まずは、「この時間帯は毎日絶対に勉強する」と決めることです。保護者の方に宣言し、その時間はスマホも保護者の方に預け、必ず机に向かうようにしましょう。疲れているのであれば、今までの生活を振り返って疲れがたまっていない時間帯に設定してください。こうすることで、勉強を習慣にしましょう。
もう1つは、「やるべきことを可視化する」ことです。まずは、今課題として感じているものを9月までに終わらせるという目標を立てます。それから、それまでの毎日にどれだけの学習をすればよいかを逆算し、それまでの毎日に何をやるかをカレンダーに書き込んでください。このように、やるべきことを可視化することで、自分の中でもやるべきことを明確にすることができ、より取り組みやすくなりますよ。

確かに、塾を使うのもひとつの手ですが、おっしゃる通り今までのやり方からは変わってしまいますし、そのメリット・デメリットをきちんと検討して決める必要があります。ただ塾に通ったからと言って、必ず現役で受かるわけではありませんし、その点も注意が必要です。また、現時点で浪人を視野に入れるのは時期尚早です。人間は定められた期限があるから頑張れることも多いと思いますが、その期限を先延ばしにした瞬間、やる気と緊張感が減退します。今からできることを最大限頑張った結果の浪人ならまだしも、夏休みの終わりから決めていた浪人は、次の年に同じような状態に陥ってしまうリスクが高いです。

冒頭でもお伝えした通り、課題を把握されていることは素晴らしいです。部活をとっくに引退した方でも、これをできていない方は非常に多いです。これは大切な力ですので、今後の学習においても都度立ち止まり、自分の学習状況の的確な把握に努めてくださいね。

 

これからの共通テスト対策について、具体的な進め方を教えてください。

受験生の悩み

共通テスト対策はZ会の通信教材のみで、それ以外は特にしていません。

今の時期は国公立の二次試験対策に時間をとって、共通テスト対策は12月中頃から取り組んだらよいのでしょうか?具体的な進め方を教えてほしいです。
また、過去問については、早くから取り組まず直前にした方がいいですか?お勧めの教材もあれば教えてほしいです。

【高3、京都大学 経済学部 志望】

Z会がお答えします!

学習支援担当

共通テスト対策については「問題形式に慣れること」「問題を解くうえで必要な知識を定着させること」の2点のバランスが大切です。

前者については、Z会の通信教育講座「共通テスト攻略演習」で対策することをお勧めします。難度の高い問題も含まれていますが、本番で9割突破に向けて、毎月着実にレベルアップできるカリキュラムで本番を意識した演習に取り組むことができます。
後者は理科・社会・古文漢文で特に重要になります。教科書を使った学習でも十分ですが、問題を解きながら定着度合いを確認したい場合、センター試験の過去問や河合出版『マーク式問題集』などがおススメです。

共通テストが近づく12月上旬以降は、二次試験対策がついつい後手に回りがちになります。仰る通り、12月中ごろまでは二次試験対策におもに取り組むのが上策です。ただし、直前になって共通テストで焦らずに済むよう、9月〜12月も上で述べたような共通テスト対策を、二次対策の合間に継続されるとよいと思います。
共通テストの過去問は、もし知識や解法の定着がある程度できていれば、レベルを知る意味で、1・2回分解いても差し支えありません。いま過去問を使ってしまっても、年末にかけて予備校各社が予想問題を発売するため、本番形式の問題が不足することはないからです。(2021年のものはセンターに近い形式、2022年以降のものは共通テストらしい形式で、難易度は21年、23年は標準的、22年はやや難しいです。)もし興味があるなら解くのを躊躇する必要はないという趣旨ですが、もちろん、過去問を年末までとっておいても何も問題ありません。

 

共通テスト模試でなかなか得点できません。過去問の活用法を教えてください!

受験生の悩み

記述テストでは通常程度解けるのに、共通テスト模試では時間が足りずなかなか得点できません。特に数学に関しては、思考を整理するために手を動かすと時間がかかり、それから計算するのが遅いと思っています。

共通テスト対策も意識し始めていますが、過去問はいつ位から、何年分程解くのがいいですか?

【高3、京都大学 法学部 志望】

Z会がお答えします!

学習支援担当

共通テスト模試後の記述テストは通常程度解けたとのことですので、基礎固めが不十分というより、共通テストの形式に慣れていないのではないかと考えられます。

もし二次・共通テスト両方に関わるような基礎の時点で不安がある場合は、その克服を最優先にしていただきたいのですが、基礎が固まっている場合は、共通テスト型の演習を積んで経験値を増やしていきましょう。特に数学は、時間制限が厳しいですし、一から自分で考えるよりもある程度誘導に乗った方が早く解ける問題もありますので、共通テスト型の演習を積むと良いでしょう。基本的にどの教科も、二次試験対策を後回しにして本格的に対策し始めるのは、共通テスト本番の1カ月前程度で大丈夫です。しかし、それ以前の共通テスト模試で目標点より極端に点数が低い場合は、二次対策と並行して対策を進めたいところです。

過去問を何年分解けば良いのか、というのは一概には言えません。得意な教科で既に模試で安定して目標点を達成できている場合は、形式や問題の雰囲気を忘れない程度に時々本番を想定した形で取り組めば良いですし、逆に苦手な教科は、本番を想定して一年分を時間を計って取り組む演習に加え、苦手な分野の過去問の類題を解いたりする必要も出てきます。まずは、共通テスト模試の結果を分析し、各教科についてなぜ点数が伸び悩んだのかを把握しましょう。そして目標点を達成するために必要なことを書き出し、それを学習計画に落とし込んでいきます。それによって、過去問をどれくらいやるべきか、いつからやるべきかも見えてきます。

例えば、数学について時間が足りずに得点できなかったのであれば、時間無制限で解いてみて時間があればすべて解けたかどうかを確認します。その上でなぜ時間が足りなくなったのか考えます。どこで詰まってしまったのか、問題の誘導を上手く使って解けているか、などの観点から考えると良いです。計算が遅いという自己分析があるならば、毎日時間を区切って計算練習をするなどの対策を考えていきましょう。また、手を動かして思考を整理するのは確実に解くために有効なのでやめる必要はありませんし、逆に書かないことで考えがまとまらなければ時間短縮にはなりません。ただ、あくまでも思考の助けのために行うことですから、ポイントを押さえて書くように工夫することはできると思います。これを通常の問題演習で行って課題を克服し、それを過去問演習で活かす、というように進めてください。

Z会からのアドバイス

 

「共通テストで高得点をとるために具体的どうすればよいか」が気になってくる時期ですね。

共通テストは、「高等学校学習指導要領において育成することを目指す資質・能力を踏まえ、大学教育の基礎力を問う試験」になりますので、共通テストで高得点を狙うならば、まず高校で学んだ事項の「定着」が前提になります。その上で、試験時間内に正解できる問題数を増やすトレーニングが必要となるということです。

そのため、次の順序で対策を進めることが必要となります。

  1. 教科書に書かれている内容の理解、基本知識の習得は大丈夫か、学校で配布された問題集に取り組むことによって確認する。
  2. 知識・理解があいまいなら、教科書まで戻って、知識・理解を盤石なものとする。
  3. 共通テスト型の問題に取り組み、自身の有する知識・理解の使い方を学ぶ(問題形式に慣れる)。
  4. 試験時間内の得点率を最大化するため、解く順番や解き方の工夫をしつつ、共通テスト型問題を用いたトレーニングを継続する。

とはいっても、受験日までの残り時間は残り4カ月を切っていますので、1.に多くの時間を費やすことは難しいと思われます。

回答内容にあるとおり、受験した模試の結果、あるいは実戦問題に時間を測って取り組んだ結果をもとに今の自分に必要な対策を考え、それを実行しましょう。

模試や問題演習の結果の考え方とそれに即した対策については、先月のアドバイスも参考にしてください。

(Z会高校学習支援担当 山邊圭祐)

 

Z会でできる大学受験対策

 

Z会の共通テスト対策講座

[専科]共通テスト攻略演習(高3生向け)

本番を想定した質の高い演習で得意科目9割突破へ!

共通テストでは「知識を活用して考えさせる問題」や「複数の資料を比較し判断させる問題」などが出題されます。
本講座では、各科目で思考力や判断力が求められる問題にも取り組むので、全科目の得点力を高めることができます。

9月以降は得点力強化に関する教材をお届け。安定して高得点をとれるよう、今始めませんか?

 

本記事を読んでいただきありがとうございます。記事をTwitterでシェアしてもらえると嬉しいです。
よろしくお願いします!

 

同じカテゴリの人気記事

共通テスト学習相談室(2024年4月号)

この時期に多かった共通テストの学習に関する相談・悩みを、過去に公開した相談と回答からのピックアップしました。きっと皆さんが気になっていることと思います、ぜひ参考にしてください! 共通テストのみで使う科... (続きを読む)

詳細を読む

共通テスト学習相談室(2024年3月号)

この時期に多かった共通テストの学習に関する相談・悩みを、過去に公開した相談と回答からのピックアップしました。きっと皆さんが気になっていることと思います、ぜひ参考にしてください! 今年の共通テストを解い... (続きを読む)

詳細を読む

共通テスト学習相談室(2023年10月号)

夏休みが終わり、皆さまいかがお過ごしでしょうか。今回はこれからの学習アドバイスをお届けします。   英語(リーディング):速読力をつけるための勉強法について 受験生の悩み 共通テストは文章の... (続きを読む)

詳細を読む

Z会の各種サービスのお申し込み・資料請求はこちらから