共通テスト学習相談室(2023年10月号)

投稿日時:2023年10月26日

夏休みが終わり、皆さまいかがお過ごしでしょうか。今回はこれからの学習アドバイスをお届けします。

 

英語(リーディング):速読力をつけるための勉強法について

受験生の悩み

共通テストは文章の量が多くて、どうしても解き切ることが出来ません。

対策として「設問を先に読む」「大問ごとに時間を区切る」「返り読みしない」というポイントを意識したところ、改善は見られましたがやはり全問解き切ることは出来ませんでした。 速読のためには文章を多く読むことが大事だと思うので、最近Natureを読んでいるのですが、それでも大問を全て読める様になれる自信がありません。
語彙も問題も難しいとは思わないので後は速読だと思っています。全問解答できる速読力を付けるにはどうしたら良いのかアドバイスをお願いします。

【高3、東京医科歯科大学 医学部 志望】

Z会がお答えします!

学習支援担当

速読力を付ける方法ですが、大きく分けて2つの方法を紹介します。

まず1つ目は、たくさんの英文を読むことです。この点は、Natureを読まれているという事ですので、このまま続けてみてください。
2つ目は、すべての文章を読まないことです。共通テストの英語の文章量は非常に多い為、すべての文章を読んでいる時間はおそらくないでしょう。おっしゃっているように、設問を先に読んでおき、何が問われているのかあらかじめ頭に入れた上で、必要な部分だけ抽出して読む、答えの箇所が見つかれば、それ以外の部分は細かい訳ではなく、大体の意味が取れたらどんどん先に進むという方針がお勧めです。このように、訳に濃淡をつける、ということを意識しながら進められるととてもよいですよ。普段の長文読解から意識づけていくと、まだまだ読むスピードを速められる時間が残っています。諦めずに演習を重ねていってくださいね。

読む文章量を増やすために『Nature』を読まれているのは素晴らしいですね。
Natureを読んでいることでよく似た内容が入試問題となるかもしれませんし、必ず役に立つと思います。頑張ってください。

 

理科:模試の結果が伸びず、学習方針に悩んでいます…

受験生の悩み

駿台ベネッセ共通テスト模試を受けてきました。

夏休みに理科対策に力を入れていた自信があったのですが、知識の漏れがあって7割程度の点数にとどまり、学習の進め方を変えたほうがいいのか悩んでいます。この時期の標準的な東大合格者と比べて自分はどのくらいなのかも気になります。

夏休みの間、物理は良問の風を間違いがなくなるまで突き詰め、化学は夏期講習を受けました。休み明けからは、物理は名問の森、化学は重要問題集を使っています。 英数国の基礎に関しては仕上がっていると思うので、理科に多くの時間を割けるような状況ですが、どのような時間配分にするのが良いでしょうか。

【高3、東京大学 理科一類 志望】

Z会がお答えします!

学習支援担当

この時期の共通テスト模試は現役生への配慮などから、本番と比べるとややレベルが下がるので、7割程度という点数がこの時期の標準的な東大合格者と比べて低いのは事実です。ただし、現状を悲観する必要は全くありません。積み上げ型の教科である英数国とは違い、理科は単元ごとの基礎学習が短期間で得点に結びつきやすい教科です。夏まで部活動をしていた現役生が秋以降にまだまだ実力を伸ばしていける教科なので、今後力を入れていきましょう。

対策としては、まずは今回の模試の分析が最優先です。一口に「知識の漏れ」といっても具体的な原因は様々です。 例えば電磁気で諸公式の整理ができていないのであれば、電場、磁場、静電誘導など問題ごとに単元を切り分けるような意識で解く、無機化学の反応式で知識不足があるのであれば、酸化還元、中和、弱酸の遊離など反応の種類ごとに整理する、といった具合で、具体的な状況に応じて取るべき対策は異なります。個々の問題の失点原因を分析することから学習を始めていきましょう。
今後の学習についてはお考えの通り、名問の森と重要問題集をベースとする形で問題ありません。学習していく中で不安な箇所があれば、適宜良問の風や夏期講習の教材に戻り、基礎を確認するようにしてください。

現時点では2次対策優先で大丈夫ですが、基礎の定着具合の確認として1ヶ月に1回くらいは共通テストの過去問や予想問題を解いておくとよいです。時間配分については、ひとまず5割程度を理科に割くイメージで、学習していく中で調整するのがおすすめです。現状の学習状況を丁寧に分析したうえで、それに応じた対策をおこなっていきましょう。

 

数学:苦手な単元に足を引っ張られて得点が安定しません。

受験生の悩み

共通テストの数学で6割を目指しているのですが、模試の点数が伸びません。問題によって点数を取れたり取れなかったりします。

例えば微分・積分の正答率は比較的高いのですが、三角関数の問題ではあまり点を取れていません。私は個別試験で数学を使わないので、今は共通テスト対策に力を入れています。どのように勉強したらいいでしょうか?

【高3、東京外国語大学 国際社会学部 志望】

Z会がお答えします!

学習支援担当

共通テストでの数学で6割を目指しているとのことですが、模試の点数がなかなか伸びないのですね。ご相談で書いてくださったように、極端に苦手な単元と得意な単元がある場合、苦手な単元で足を引っ張ってしまい、その結果総得点が下がってしまいがちです。数学で共通テスト6割以上を得点するためにはまず、「時間があればどの問題も解ける」という状態に持っていく必要があるでしょう。

現在Z会で受講してくださっている『共通テスト攻略演習』や市販の共通テスト対策問題集の数学の問題を活用して、共通テストに出題されやすい問題に慣れてみましょう。
1問あたり10分考えても分からなければ解答解説を読み、時間がかかっても良いので理解することに専念してください。解答解説を読んでも分からなければ、基礎的な知識に穴がある可能性が大きいので、学校の教科書やお手持ちの参考書を参照して復習するようにしてください。時間をかけさえすれば共通テスト7.5割くらいは得点できる状態になったら、時間制限を意識した学習に転換すると良いでしょう。ストップウォッチなどで時間を計りながら学習を行うようにすると、時間制限のプレッシャーを感じた演習を行うことができるのでおすすめですよ。

なお、共通テストでは、問題を解くために必要な手がかりやヒントがリード文などに隠されていることが多いです。そのヒントに気づき、出題の意図に従った解き方ができているかどうか確認することも重要です。

 

数学:本番で本来の力が出せない。不安な気持ちをコントロールするには…?

受験生の悩み

先日、共通テストの模試を受けました。

数2Bで、大問のはじめのほうから思っている答えが選択肢になく、ほとんど大問1問を落としてしまい、その焦りが影響してあとの問題でもミスを重ねてしまいました。その日は最後が数2Bだったのでまだよかったのですが、本当ならそのあとに理科があるので絶対にひきずってしまうと思います。
落ち着いたら絶対解けるのに…とテスト中に思うのですがかえって焦ってしまったので、本番でも繰り返すのではないかと不安です。どういう心持ちで臨めばいいのでしょうか…。

【高3、京都大学 総合人間学部 志望】

Z会がお答えします!

学習支援担当

共通テストで初めの方から当てはまる答えが出ず焦ってしまうことがあれば、その大問は丸々飛ばして先に他の大問に取り組むことをおすすめします。共通テストではどの教科も時間配分が重要で、一題にとらわれて時間をロスすると、ほかの大問でも解けるはずの問題で失点してしまいます。
一度おかしいなと感じたり、解が合わずうまくいかない場合は、そのまま解き進めるのではなく、いったん飛ばしてしまい、後から戻って解くようにしましょう。一度離れてから戻ってくると、頭がすっきりして単純なミスにも気づきやすくなりますので、焦らず確実に得点できるものから解いてみてください。

また、ある科目で失敗した時の切り替え方ですが、これは模試などで自分なりの切り替え方を掴んでいくことが1番重要であると思います。休憩中にリラックスして切り替える人もいれば、上手くいかなかったことをばねにして次の科目でより気合を入れることができる人など様々ですので、自分に合う方法を見つけていってください。本番でも理想通りにいかないことがあるかと思いますので、一つ一つの模試や過去問演習を本番だと思って取り組むことで、気持ちのコントロールを上手くできるようにしていきましょう。今回のことはいい経験として切り替え、今後の参考にしてみてください。

Z会からのアドバイス

夏休みが終わって、共通テスト模試の得点が伸びないことを気にする人が増えてきました。
みなさんからの相談は以下の3つに大別されますので、それぞれに対するアドバイスを記載します。

いつから共通テストの対策を始めればよいか?
模試で自身の目標点に達していない科目は、今すぐにでも対策に着手したほうがよいでしょう。
全科目を網羅的に対策する必要はないので、科目ごとに考えることが重要です。
模試などでコンスタントに8割台の得点をとることができている場合は、12月に入ってから本番に向けて調整すれば問題ありません。

特定科目の得点が伸びないがどうすればよいか?
週1日でもよいので、時間を確保して共通テスト型の問題に取り組みましょう。
8月のアドバイスと重なりますが、得点が伸びない原因が「そもそも知識・理解が不足しているから」なのか、「共通テストの出題形式などに慣れていないから」なのかを切り分け、それに応じた対策を進めていくことが重要です。

特定科目の特定の出題傾向に対する相談
苦手な科目・苦手な出題形式がある場合には、「その出題を攻略する必要があるか」を考えましょう。
たとえば、「国語の表現を問う問題」を例にすると、この種類の設問は現代文の各大問に1つあるかないか程度であるため、得点にして20点を超えることはありません。
そのため、仮に今国語が140点に到達しないレベルで苦しんでいるのであれば、この出題のみの対策では不十分なので、国語全体の得点や他科目での得点を上積みすることをめざしたほうがよいでしょう。

本番までの期間も短くなってきたので、合格に必要な得点から逆算して、出題の配点や出題頻度なども考慮しつつ対策の要否を決めることが必要です。

共通テスト本番まで残り2カ月程度です。「自分のやろうとしていることが、どのような結果につながるか」をよく考えて、対策を進めていきましょう。

(Z会高校学習支援担当 山邊圭祐)

 

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