更新日:2022年4月30日
執筆:中学受験コース学習アドバイザー・K
中学受験を考えたとき、低学年のうちは何をすれば良いのか、パッと思い浮かばない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、特に低学年でやっておきたいこと3選を紹介します。
中学受験をするかどうかまだ決めていないご家庭の場合でも、今後の家庭学習に役立つ内容ですので、ぜひご活用ください。
1. 学習習慣を
身につける
すべての土台となる、
学習習慣を早めに固める
先取り学習や多くの問題集に取り組んだりが思い浮かぶかもしれませんが、低学年のうちは何よりもまず、学習習慣を身につけることを最大の目標にします。
学習習慣は、全教科に共通する学習の土台です。この土台が安定していれば日々の学習を効果的に行うことができます。しかし、習慣という言葉のとおり、一朝一夕で身につけることはなかなか難しいものです。低学年の早い段階から、しっかりと意識して身につけましょう。
以下のポイントを一度確認してみましょう。
できていない場合はこれからできるように、既にできている場合でも引き続き意識していきましょう。
低学年のお子さまがいきなり長時間の勉強をするというのは非常に難しいですし、無理に長時間勉強を行ったとしても集中力がまず続かないので、あまり意味がありません。
まずは長時間勉強できることよりも、短時間でも毎日定期的に勉強できることを目指します。
・文字や数字を丁寧に書く
せっかく計算が正しくても、数字の見間違いや写し間違いによるケアレスミスは意外と多いものです。ミスの防止のためにも、文字や数字は丁寧に書くようにしましょう。
国語の場合、漢字の「とめ・はね・はらい」を正しく把握しているかの確認にも役立ちます。
・間違えた問題は、理由を考えてみる
間違えた問題は、正しい答えを知るだけでなく「どうして間違えたのか?」を考えるようにしましょう。低学年の場合、具体的な理由を考えるのは難しいかもしれませんが、まずは「ここが難しかった・ここが分からなかった」くらいのレベルで良いので問題を振り返るようにします。
間違えた理由を考えることができれば、中・高学年になったときに、同じ間違いの繰り返しを防げたり、自分の弱点(勉強すべき箇所)が分かるようになります。
2. 勉強の楽しさを
知っておく
「楽しい」が原動力になる
入試問題を実際に見てみると分かりますが、中学受験をするお子さまは相当難しい問題に挑戦します。受験勉強の途中で、苦しい思いや大変な思いをたびたび経験することもあります。
それを乗り越えるためにも、「勉強は大変なだけでなく楽しいものだ」ということを知っておくことは非常に重要です。
お子さまに勉強の楽しさを知ってもらうためには、「達成感」と「褒めること」がポイントです。
どちらのポイントも保護者の方の協力が必要ですので、ぜひお子さまの学習を支えていただければと思います。
達成感を味わい、お子さまが勉強を楽しいと感じることで、意欲的・自発的に取り組むことが期待できます。
解けなかった問題が解けるようになったとき・学習計画どおりに勉強できたとき・粘り強く考えて分かったときなど、お子さまが学習中に達成感を味わえる機会はいくつもあります。
少しだけ難度の高い問題を解かせてみる・分からなかった問題を一緒に考えてみる・学習計画を一緒に立ててみるなど、お子さまに達成感を味わってもらうために保護者の方から働きかけることをおすすめします。
・褒めること
保護者の方から褒められることで、お子さまは自信をもてるようになります。
同じ間違いを繰り返す・簡単そうな問題を間違える等々、つい怒りたくなる場面も多いかと思いますが、怒られてばかりで勉強を楽しいと感じるお子さまはいないはずです。
たとえ些細なことであっても、褒めてあげられる部分はお子さまを褒めるようにしましょう。注意して欲しいのは、「本心から褒める」ということです。
口だけの適当な褒め方・小さいことをあまりにオーバーに褒めるなどのやり方は、お子さまもあまり嬉しく感じないでしょうし、嘘だと気づかれる場合もあります。「1週間計画通り勉強に取り組めたね」「字を丁寧に書けたね」など、お子さまの具体的な行動を認める褒め方もおすすめです。
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・粘り強く試行錯誤する「考える」問題を収録。
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3. 日常生活の中でも
知識を広げる
実体験に基づいた具体的なイメージをもてるようにする
低学年のうちの実体験が、後の受験勉強に役立つことは多々あります。とりわけ、覚えた知識に対して具体的なイメージをもてることが大きな利点です。
参考書で覚えただけの知識よりも、実体験に基づく具体的なイメージをもてる知識の方が記憶にも残りやすいですし、理解力も上がります。
中学入試では、実生活の場面を切り口にした問題もよく出題されます。具体的なイメージがあれば、その類の問題を把握しやすくなる効果もあるでしょう。
スーパーにある食品の生産地や値段、会計時のお金のやり取りなど、日常生活の中でも学びの場は意外と多いものです。
学んだ知識を身近なものとして感じることができるように、様々な体験をすることで日常生活の中でも知識を広げていきましょう。
小学生コース1・2年生の教科・講座についてくわしくはこちら
低学年のとき、
何をしておけば良かった?
中学受験を経験したZ会員の保護者の声をご紹介!
最後に、中学受験を経験したZ会員の保護者を対象に行ったアンケートから「低学年のときにもっとこうしておけば良かった」という声をご紹介します。
※2019年~2021年に私立(国立・公立)中高一貫校を受験したZ会員の保護者を対象に2021年12月に実施した「中学受験について」のアンケートより。(有効回答数500人)
- 低学年からのお手伝いの習慣。 規則正しい生活の管理。
- 低学年までは思いっきり遊ばせ、自由に過ごさせお稽古などに集中する時間を持たせれば良かった。それにより自主性や受験をする意識などを持たせることができたのでは、と思えてならない。
- 読み書きなどの学習が始まる低学年で基礎的な勉強をもっとしっかりみてあげていればよかった。
- 低学年から計算力をつけさせておけばよかった。
- 受験勉強が本格化する前の低学年のうちから沢山読書をさせておけばよかったです。
やはり高学年になると忙しくなるため、時間に比較的余裕のある低学年のうちに、基礎的な学習や読書・旅行などの体験をしておきたかったという回答が多く見られました。
ここで紹介した回答以外にも「もっと早くこうしておけば…」という回答は非常に多く、早めの準備が必要だったと考える方は多いようです。
今回は、低学年でやっておきたいことについて解説しました。
難しい問題にたくさん取り組む・演習量を増やすというよりも、学習習慣を身につける・勉強を楽しむといった学習の土台となる部分の完成を目標にしましょう。
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