Z会 イマドキ中学受検情報【24】
公立中高一貫校「適性検査」、どんな問題・どう対策する?

更新日:2023年3月17日
執筆:小学生向けコース教材作成者・K

Z会 イマドキ中学受験情報【24】公立中高一貫校「適性検査」、どんな問題・どう対策する?

近年人気が高まっている公立中高一貫校で、その入学者選抜のために実施される「適性検査」。
「適性検査って難しいの…?」「国私立中学校の入学試験とは違うの…?」など、気になる方も多いのではないでしょうか。

今回はZ会小学生向けコースの公立中高一貫校受検対策講座の担当者から、適性検査の内容や対策方法について解説します。

目次

 
 

適性検査とは

国私立中学校の入学試験とは大きく異なる

公立の中高一貫校が入学者選抜のために実施するのが「適性検査」で、国私立中学校が実施する国算理社といった教科別の学力試験とは大きく異なります。

というのも、学校教育法施行規則において「公立の中等教育学校については、入学者選抜に学力検査を行わないものとする」と定められているからです。

それでは、適性検査はどのような力を測る検査なのでしょうか。
各地の教育委員会等が出している入学者選抜要項によると、適性検査で測る力は、多くの場合次のように定義されています。

適性検査で測る力

思考力判断力表現力など小学校で身につけた総合的な力

・入学後の6年間の学習への意欲適応力

 

適性検査の内容は多岐にわたる

上記のような力を測るべく、適性検査では様々な出題が行われます。

教科横断型の問題 国語と社会を組み合わせた問題、算数と理科を組み合わせた問題など
思考力を要する問題 教科知識そのものではなく、知識をどう活用するかが求められる問題
作文 自分の意見や思いをまとめる課題
聞き取り問題 国語だけでなく、英語のリスニング問題が出題されることも
面接 学びへの意欲や姿勢が評価の対象となる場合も

 
 

問題の特徴

記述式の問題が中心&記述量が多い

適性検査の問題の特徴は次の3つといえるでしょう。

1.
思考力や表現力を問う記述式の問題が中心

2.
求められる知識は小学校で学習する範囲内のもの

3.
制限時間に対して、問題の文章量・解答の記述量が多い

国私立中学校の入試とは異なり、一問一答形式で知識の多寡を問うような問題や特殊算(植木算・旅人算など)のように特別な解法が必要な問題はほとんど出題されないのです。

そのため、ただ「知っている」だけでは答えを導くことはできません。

 

よく出題される問題例

学校の個性や学校が求める生徒像などによって傾向が異なりますが、適性検査でよく出題される問題は次のような内容です。

・文章の内容を的確に読み取り、それに対して自分の考えを表現する問題
・グラフや表、地図などの資料を読み取り、知識と結び付けて考える問題
・数や式、図形などの規則性を読み取り、数理的に考察・処理する力が求められる問題
・ルールなどの複雑な条件を素早く整理したうえで、論理的に考える力が求められる問題
・実験や観察を通して、考察したり、課題を解決する問題

 
 

対策方法
身につけたい「5つの力」

受検突破に必要な「5つの力」

Z会は全国の適性検査を分析し、上で紹介したような問題に対応するためには次の「5つの力」が必要だと考えています。

教科基礎力 教科書で習ったことを利用する力
表現力 相手にわかりやすく伝える力
情報整理・運用力 情報や知識を組み合わせて考える力
論理的思考力 物事を順序立てて考える力
課題解決力 目的達成のために企画や話し合いをする力

 

具体的な学習

適性検査の問題は小学校のテストでは出題されないような独自の出題形式のため、類似の問題に取り組むことで、形式に慣れることが大切です

その際には、上記の「5つの力」をバランスよく伸ばしていくことを意識しながら取り組むとよいでしょう。

【教科基礎力】の伸ばし方

小学校の学習内容をしっかり身につけましょう。

知識だけを問う問題は多くないのですが、知識を活用したり、文章で説明する問題はよく見られます。
こういった問題では、ただ覚えているだけではなく、内容を正しく理解できていることが必要です。

適性検査の問題例1

また、算数の小数・分数の計算概数、割合などは確実に身につけておきましょう。
短い時間の中で、素早く正確に計算して答えを出す必要があるため、計算力も必要です。計算の練習は欠かさず行いましょう。

 

【情報整理・運用力】【課題解決力】の伸ばし方

日常生活や日々の学習のなかで伸ばしましょう。

情報整理・運用力を伸ばすためには、新聞や本などで多くの資料に触れることをおすすめします。社会や理科の教科書にはたくさんの資料が掲載されているため、学校の授業で扱わなかったものもよく見ておきましょう。

また、短い時間で情報を整理して運用できるようになるには、慣れも必要です。適性検査の形式の問題に数多く取り組んでおきましょう。

課題解決力を伸ばすには、新聞やニュースを見聞きするなかで、社会で起こっている問題に関心をもち、自分なりの意見をもったり、解決できないかを考えたりすることが大切です。

 

差がつきやすい【論理的思考力】
の伸ばし方

類題に取り組むことで伸ばしましょう。

次は、論理的思考力が求められる問題の一例です。
ルールや条件をきちんと読み取り、必要な情報を整理したうえで、論理的に考えなければ解けません。

適性検査の問題例2

この問題では、右のますから順に、1がいくつあるかを表す一の位、3がいくつあるかを表す三の位、9がいくつあるかを表す九の位、… のような構成になっています。こうした構成に気づくためには、番号が大きくなるに連れて図がどのように変わるかを考えて規則性を見出す必要があります。

問題が変わればルールや条件も変わりますが、さまざまな問題に触れるなかで、論理的思考力が伸びていきます。
複雑なルールや条件のある問題に数多く取り組んでおきましょう。

 

他の力と組み合わせて問われる
【表現力】の伸ばし方

書き直しをくり返すことで伸ばしましょう。

適性検査は記述問題の割合が大きく、作文のほかに、考えたことを筋道立てて他者に説明する問題や教科基礎力を活用する問題でも表現力が必要です。
「書く ⇒ アドバイスをもらう ⇒ 書き直す」をくり返すことで伸ばしていきましょう。

 
 

対策方法
すぐできる!日常生活での
取り組み

日常生活で取り組みたいこと

机に向かって問題を解く以外にも、日常生活のなかで適性検査の対策としてできることをいくつかご紹介します。

公立中高一貫校の受検を考えている場合、3・4年生から次のことに取り組むことをおすすめします。

・読書をする

・小学生新聞やニュースで、今の社会で起こっていることを知る

・自分の興味関心のあることを大切に、興味の幅を広げる

国私立中学校の入試問題と比べても、適性検査の問題文は非常に量が多いため、文章を読むことに慣れておく必要があります。

また、世の中で起きている問題をテーマにした出題・それに対する意見が求められる出題や、作文・面接などで入学後に学びたいことを問われることもあるため、興味の幅は広げておきましょう

 

取り組むときに意識したいこと

上記に取り組むときは、次の3つのことを意識してみましょう。

① なぜ?どうして?という疑問を大切にする


② 積極的に話をする


③ 読書後は要約・感想を書いてみる


読書をしたり、ニュースを見たりしていると「なぜ?どうして?」と思うことは多くあると思いますが、その疑問を大切にしてください。

時間のある時に調べたり、解決できないか考えてみることで、適性検査でよく問われる「自分なりの考えを書く」対策につながります。


家庭内で積極的に話をしましょう。ニュースや読んだ本について話すのもよいですし、学校であったことを簡潔にまとめて保護者の方に伝えることも有効です。どれも自分の考えをまとめる練習になり、表現力アップにもつながります。

保護者の方は、まずはお子さまの話をよく聞いて肯定してあげてください。そのうえで、別の視点からの意見があることを伝えていただくと、お子さまの考えが深まります。


読書をしたら、ある部分を要約したり、感想を書いたりして、文章を書くことに慣れる練習をしてください。保護者の方が読み、「なぜそう思ったの?」「ここをもう少しくわしく教えてほしいな。」など、交換日記のように内容をふくらませていってもよいでしょう。

このとき、語彙力をつけ、表現の幅を広げるためにも、辞書を活用しましょう。保護者の方も一緒に辞書を引いて、言葉を言い換えてみたり、似た表現はないか探してみたりするとよいでしょう。

 

学校生活を大切にすることも対策になる

適性検査では、行事を企画する・学校の課題を解決するといったリーダーシップが必要な場面を想定した出題がされることがあります。

学校やクラス行事の企画・運営に携わる際などは、どうしたら上手くいくか・楽しくできるか・問題点はないかなど自分なりに考えながら関わり、学校生活を楽しみましょう。

 
 

適性検査のFAQ

Q.
国私立中学校の受験対策をしている場合、適性検査にも対応できますか?

A.
アドバンテージにはなるものの、対策としては不十分です。

中学受験で扱う、理科・社会の知識や小学校の学習範囲を超えた算数の学習は、適性検査でもアドバンテージになります。

それでもなお、適性検査の独特な出題に慣れておかなければ、本番で力を発揮するのは難しいでしょう。

国私立中学校の入試問題よりも記述量が多いため、「書くことに慣れる」&「書いたものを第三者に見てもらう」ことが必要です。

 

Q.
学校や習い事で忙しく、何から取り組んだらよいかわかりません。

A.
まずは志望校の入学者選抜要項や過去問を確認しましょう。

さまざまな取り組みを紹介しましたが、忙しく何から取り組んだらよいかわからないという場合はこの2つを確認しましょう。

入学者選抜要項には、自然科学への興味関心をみる、リーダーとして必要な計画をする力をみるといった出題のねらいや、求める生徒像が書かれています。

特に伸ばす必要があるのはどのような力なのかを確認し、志望校に合った対策に取り組んでください。

 

Q.
作文ではどんな課題が出されるのですか?

A.
「課題文や資料をふまえて、自分の考えを述べるもの」が主流です。

その他には、「ある問題を解決するためにはどうしたらいいか、考えを述べよ」といった課題も多く見られます。

自分の考えを述べさせる課題の場合、説得力のある文章にするために、根拠や理由を明確に述べることが大切です。

また、「自分の体験をふまえて」といった条件が付いていることもあります。様々なことに関心をもち、自分の引き出しを増やしておくとよいでしょう。

 
 
 


適性検査では独特の問題が多く出題され、国私立中学校の入試問題とは大きく異なるので、しっかりと準備をしておきましょう。

公立中高一貫校を志望している方はもちろん、受検を検討中という方も、実際の問題をいちど見ておくことをオススメします。

 
 

独特の出題形式に対応できる力を
身につける
「Z会の通信教育 公立中高一貫校の受検対策におすすめの講座」のご紹介

・適性検査で求められるさまざまな能力を伸ばす

思考力・表現力や作文といった、家庭での指導が難しい分野の対策を行えます。

・適性検査で頻出の問題の解き方に慣れることができる

適性検査の問題を丹念に分析して出題。教科融合型の問題・資料を読み取りその場で答える問題など、小学校の学習ではなじみのないタイプの問題演習をしっかりと行えます。

【おすすめの講座】
・「思考・表現力」(3・4年生対象)
・「作文」(5・6年生対象)
・「公立中高一貫校 適性検査」(5・6年生対象)
・「公立中高一貫校 作文」(6年生対象)

 
 
 


Z会の中学合格実績、中学受験対応コース・講座のご紹介

中学合格実績
 

難関国私立中学受験をお考えの方に 中学受験コース3~6年生
 

公立中高一貫校受検をお考えの方に 受検対策講座3~6年生
 

最難関中学受験をお考えの方に [Z会×エクタス]最難関中学受験プレミアム講座4~6年生 

 


 

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