センター試験と共通テスト〔英語〕を比べてみた

投稿日時:2019年1月24日

2019年1月19日(土)・20日(日)の大学入試センター試験では、リスニングの選択問題の野菜と果物のイラストが話題になりましたね。この記事では、これから変わる英語の入試についてお伝えできればと思います。 現在のセンター試験が実施されるのは、2020年1月までとなり、2021年1月から、新たに共通テストが実施されます。共通テストの英語の試験はどのようなものでしょうか。センター試験と、どのような相違点や共通点があるのか、2018年度実施された「共通テストの導入に向けた試行調査(プレテスト)」の内容を元に紹介いたします。  

大学入試センター試験との相違点

まず、配点が大きく変わります。現在のセンター試験は、【筆記(リーディング)】が200点、【リスニング】が50点となっていますが、共通テストは、【リーディング】100点、【リスニング】100点というように、均等な配点となっています。 また、「指示文」も大きく違う点だと言えます。現在のセンター試験【筆記(リーディング)】は「次の問いに答えよ」や「1~4のうちからひとつ選べ」など、日本語で指示がありますが、共通テストの場合、【リーディング】は、基本的に日本語は使用されず、指示文や質問文なども英語で読み解く必要があります。 【リスニング】の指示文は、どちらも日本語ですが、会話文や本文の読み上げが2回あるセンター試験とは違い、共通テストは1回もしくは2回が混ざっています。また、アメリカ英語やイギリス英語のみではなく、非母語話者の英語が流れる出題もありました。 「整序問題」にも違いがあります。現在のセンター試験は、「単語を並べ替えて正しい文を作る」という「文構造の把握を問う問題」が出題されていますが、共通テストではそのような問題は見当たらず、並べ替えるものは、「話の順番を並べ替えなさい」「起こった順に並べ替えなさい」といったように、話の筋を追えているかどうかという「読む力」を問う問題形式のみが出題されています。  

共通点

どちらも、マークシート形式であるというのは変わりません。 また、文章もしくは音声からの情報のみでなく、図表など複数の情報を組み合わせて答えを出す問題は、現在のセンター試験でも、共通テストでも、どちらでも見られる問題でした。 例えば、今年のセンター試験【リスニング】の問3(B)で出題されたのは、博物館にある複数の展示のそれぞれの営業時間や料金を見つつ、来館者が博物館の担当者と話をしながら、どの展示を見ようかを決めるという内容でした。 一方、共通テスト【リスニング】問4(B)では、複数の大学の寮のうち、自分の条件に合うものを見つける、という問いがありました。 このように、音声の情報と、手元にある情報をつき合わせながら、解答をするという出題はどちらにも見られました。    

2021年1月からの共通テスト

共通テストは、センター試験からまったく別物に変わってしまうというわけではなく、これまでの形を踏まえて、より実用的な英語の力を測るものを残しつつ、進化しています。つまり、共通テストは、文法や語彙のそのものの意味を問うのではなく、それを理解した上で、なおかつ自分で使いこなせるかを重視するという、より実践的なものになっているのです。 パターンを覚えて、試験に対応するためだけに学習するのではなく、皆さんが将来実際に英語を使うことを想定し、実践的な場面で英語の力を運用できるよう、実践的な出題をしている教材で学習することをおすすめします。  

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  ※2020年5月21日更新

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