2023年度の共通テスト振り返り(英語・数学・国語)

投稿日時:2023年1月29日

大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の本試験が1月14、15日に実施。今回は英語・数学・国語について振り返ります。(Z会中高事業本部・花岡正司)

 

全体傾向:数学の平均点が大幅に上昇。全体としては易化。

 

大学入試センターが発表した中間集計では数学Ⅰ・数学A、数学Ⅱ・数学Bの平均点が2022年度よりも大幅に高くなるなど、全体としてはやさしくなった印象です。前回同様に問題の分量や盛り込まれる資料の数が多く、資料から適切に情報を読み取る力や、資料の内容を学習してきた事柄と結びつけて考察する力を評価する問題がめだちました。

 

共通テスト英語:必要な情報をすぐ把握しよう

 

英語のリーディングは前回と同様、短時間で多くの情報を読み取る速読速解の力が欠かせませんでした。「推論発問」(テキストから直接答えを抜き出せない質問)と呼ばれるタイプも複数の大問でみられました。リスニングでも英文の読み上げが1回の設問、表やグラフを読み解き、素早く正答を導く設問など情報処理能力の高さが求められました。

共通テストの時間設定や出題形式にそった演習を数多く重ね、多くの英文や資料から解答に必要な情報にすぐアクセスできるかどうかが得点差にあらわれた出題でした。

 

共通テスト数学:平均点が20点近くアップ

 

数学の場合、2022年度の数学Ⅰ・数学A、数学Ⅱ・数学Bとくらべ、平均点がともに20点近く高くなり、2021年度の水準にもどりました。大問が適切な難易度になったことに加え、大問の前半で取り組みやすい問題が盛り込まれたことなどが主な要因です。

ただし、大問の後半はレベルが高く、全体的に分量も多いので、高得点をめざすにはやさしい出題とはいえません。また、問題作成方針にしたがい、数学Ⅰ・数学Aの第2問〔2〕のバスケットボールの軌道と放物線、数学Ⅱ・数学Bの第4問の預金の複利計算と等比数列など、日常生活とかかわりが深い題材が取り上げられました。

平面から空間(2次元から3次元)への拡張、発展的な知識の類推など習得した知識を「何かに発展できないだろうか」と、日ごろから探求心をもって学習する姿勢が大事です。

 

共通テスト国語:複数テキスト型が定着

 

国語では複数の文章・資料を組み合わせた出題がつづいています。

第1問の評論は前回と同じように「同一のテーマ・引用文に関する複数の文章」をもとに出題されたほか、「授業の会話場面や生徒の学習活動を想定した出題」も各大問でみられました。複数の文章と資料を照らし合わせる手間もあり、時間が足りなかった受験生もいたかもしれません。

正確な読解や基礎となる知識事項の習得を前提としつつ、複数の文章や資料の情報を結びつけて考える問題演習が必須となります。

 

※この文章は「朝日中高生新聞」に掲載されています。

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