総合型・推薦型入試/人物評価に重き、学力も必須

投稿日時:2023年3月26日
「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体的に学習に取り組む態度」といった「学力の3要素」を評価する大学入試改革。ていねいに時間をかけて受験生を多面的・総合的に評価するというねらいがあり、入試の形式でも「総合型選抜(旧AO入試)」「学校推薦型選抜(旧指定校推薦入試など)」の募集枠が広げられています。
人物評価重視の総合型や学校推薦型でも学力は重要
たとえば今春の国公立大学の入試では総合型は全体の58%が取り入れ、学校推薦型は97%が実施。総合型・学校推薦型の募集人員は全体の23%になりました。
人物の評価に重きを置くものの、学力の3要素を評価することは必須です。総合型や学校推薦型では、それぞれの大学(学部)がおこなう評価方法(小論文、資格・検定試験の成績など)、または大学入学共通テストのうち、少なくともいずれか一つを受ける必要があります。高校で学習する内容は、高いレベルで習得しておくことが合格の条件になるわけです。
総合型・学校推薦型入試のために、勉強と諸活動の充実を
総合型の場合、調査書の提出を求める大学が大半で、高校での勉強がポイントの一つになります。志望する大学に入学するのにふさわしい人物であることをアピールできるよう、課外活動などに積極的に取り組むことも大事です。出願の時期が9~10月という大学が多く、高3の夏の時点で自己推薦書をふくめた準備が必要になるので、一般選抜との併願はそう簡単ではありません。
一方、学校推薦型の場合、学校長の推薦が必要になることから、定期テストをはじめ、高校での成績を高く保つことが重要になります。日々の勉強はもちろん、部活動や生徒会活動など、さまざまな活動に一生懸命取り組んでいるみなさんは総合型や学校推薦型といった入試との「相性」がよいといえそうです。こうした入試を視野に入れ、進路を考えるのも一つの方法です。
中学生・高校生へのアドバイス
中学生:興味や関心の幅を広げて
高校入試や大学入試の「これから」を考えるとき、中学での学習とそれぞれの入試とのつながりは一層、深まる流れにあるといえそうです。大学を受験するまでにしばらく時間があるみなさんの場合、部活動や自由研究など授業とは別の取り組みにもチャレンジして、自分自身の興味や関心の幅を広げておくことをおすすめしたいと思います。
一見、入試とは関係なさそうに思えても、なにかに熱中したという経験は自分自身をアピールできる機会につながります。
高校生:多様な入試をチャンスに
大学入試をみすえたうえで「いま、取り組むべきことはなにか」という視点を大事にしてほしいと考えます。たとえば学校推薦型選抜の場合、校内選考では評定(各学年の成績)がウェートを占める傾向にあります。定期テストで結果を残すには日々の取り組みに集中することが欠かせません。
多様な選抜方式については「チャンスの拡大」ととらえてほしいと思います。大学や学部ごとに情報を集めて「自分の強みをより生かすことはできないか」とアンテナを広げておきましょう。
※この文章は「朝日中高生新聞」に掲載されています。
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