試行調査から読み解く大学入学共通テスト~英語編~2019.10

今回は、大学入学共通テストの試行調査(プレテスト)の英語について、Z会の通信教育 高1・高2生向けコース英語担当より解説いたします。

 

 

センター試験から大学入学共通テストへ

大学入学共通テストの英語では、従来のセンター試験から配点が変わり、リーディングとリスニングがいずれも100点になるなど、リーディングとリスニングの2技能の力を集中して問う姿勢が打ち出されています。「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能の総合的な評価は民間の外部検定試験が担うこととなり、大学入学共通テストは2技能に特化した内容に役割が切り分けられています。そのため、発話に関連する力を間接的に問うていた、発音・アクセント問題は姿を消すこととなりました。
加えて、大学入学共通テスト全教科にわたる傾向として、知識そのものの定着よりも、知識を運用する力、思考力、判断力を問う問題が出題されていることも大きなポイントです。整序英作文問題など、文法知識の定着を直接問う問題はなくなり、あくまで実際の生活で読む、聞く可能性のある英語の理解を問う問題が出されます。
これらの概観を踏まえ、リーディングとリスニングそれぞれの問題の特徴を、試行調査をもとに見ていきましょう。

 

 

英語(リーディング)

では、試行調査で出された英文と問題の抜粋を見てみましょう。

(大学入学共通テスト 平成30年度試行調査 第2問B)

まず、冒頭に場面、状況を説明する文があることに注目しましょう。「英語の授業で行うディベートの準備資料を読む」という、「この英文を読む必要が生じた、高校生にとっての自然な状況」が設定されていることがわかります。
また、センター試験の一部の問題で見られたような空所や不要文が、読むべき英文中に含まれていないことも大学入学共通テストの英語の特徴の一つです。さらに、会話文形式の英文も見られません。実生活において、ところどころ空所のある英文を読んだり、会話を文字で起こした英文を読んだりする場面はあまりありませんよね。実際のコミュニケーションで登場しうる英文を読ませることが強く意識されていると言えます。
全体として、語彙の難度はそれほど高くありませんが、総語数はセンター試験より1,000語程度増加しており、素早い情報処理が求められます。1語1語注意深く精読するというよりも、スピーディに必要な情報を拾い読みさせる、「要は何を言わんとしているのか」という英文の要点をつかませる、といった問題が多く見られます。「事実」と「意見」を選り分けさせる、という情報リテラシーに関連した問題も見られました。実社会で必要となる読解力が問われていると言えます。今後の学習においては、ディスコースマーカー等に着目しながらパラグラフの要旨をつかむ、ポイントとなる英文に線を引いたり、事実の時系列を整理したりしながら読むなど、メリハリある読み方を意識するとよいでしょう。

 

 

英語(リスニング)

リスニングでも、試行調査で出された問題を取り上げてみます。

(大学入学共通テスト 平成30年度試行調査 第4問B)

試行調査では、第4問から音声の読み上げが1回となっていることもセンター試験との違いとして挙げられます。また、音声には非母語話者によるものなど、アメリカ英語以外の音声が含まれており、国際言語としての英語の多様性が意識されていることがうかがえます。リーディングと同様、状況設定については高校生にとって身近な場面が想定されています。
全体を通し、音声の部分的な理解を問う問題よりも、複数の情報と関連づけさせたり、イラストや図表と合わせて情報を整理させたりするような問題が目立つのも特徴です。また、特に後半は比較的難度も高く、文字・音声ともに情報量が多いため、素早く情報を処理する力も必要になります。今後の学習としてはまず、普段使用している教材やテレビ・ラジオ・インターネットなどを利用して英文音声を習慣的に聴くようにし、自然な速さの音声に慣れましょう。声に出して読んでみるのもおすすめです。実際に問題演習を行っていく際には、事前に視覚情報などを確認することで放送内容を予想し、聞き取るべき情報に当たりをつけておくことも有効です。共通テスト独特の問題形式に慣れておくことによって有利になる問題もありますが、何より基礎的なリスニング力、英語力を養うことが得点アップに繋がります。普段の学習に積極的に音声を取り入れ、リスニング力の底上げをめざしましょう。

 

 

●さいごに●

▼共通テストの英語(リーディング)のまとめ
✏ 今まで以上に、実社会で必要となる読解力が問われるようになる。
✏ 総語数が増加することが予想されるため、スピーディに読む練習をする必要がある。
✏ 要点をつかんで読むなど、英文内の場面設定に応じた読み方の習得が鍵に。

➜だからこそ、早いうちから、長文に慣れていくとともに、長文の読み方を習得することが重要になります。Z会の通信教育では、その対策が可能です。例えば、Z会の通信教育 高1高2生向け高校コース【本科】英語では、文系・理系を問わないテーマで、小説・論説文など、様々な形式の英文に毎週取り組むことができます。
ぜひ、共通テストに移行しても慌てない「読む」力を向上させていきましょう!

▼共通テストの英語(リスニング)のまとめ
✏ 読み上げが1回だけの問題がある。
✏ アメリカ英語以外の音声が含まれる。
✏ 音声の部分的な理解を問うだけではない問題が多く出題される。
✏ 文字・音声ともに情報量が多い問題もあるため、素早く情報を処理する練習が必要になる。

➜だからこそ、英文音声を聞く時間を増やし、自然な速さの音声に慣れる練習が重要になります。例えば、Z会の通信教育の高1高2生向けコースには、「読む」「書く」の対策に加えて、月1回のリスニング対策が受けられる【本科】英語、そしてリスニングだけに特化した【専科】英語リスニングの講座もあります。普段から英語を「聞く」習慣を身につけ、「聞く」力を向上させていきましょう!

➜受験生の方は、思考力や判断力が求められる新傾向の問題への対策が必須です。Z会の通信教育 大学受験生向けコース【専科】共通テスト攻略演習では、演習と復習を通して、「自分で考え、答えを出す力」を伸ばします。

 

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