共通テストで求められる力とは? -Z会担当者による対策アドバイス-

投稿日時:2022年8月17日

今回は、Z会で長年国語の指導に携わる中村一貴と、数学の指導に携わる花岡正司が、共通テストを振り返りつつ、中高生のみなさんがこれからの学習をどのように進めていけばよいのかを語ります。これまでの2回の試験問題から見えてきた共通テストの目指す方向性と中高生がやるべき対策とは?

  • 中村一貴(Z会中高事業本部 指導部 部長補佐)
  • 花岡正司(Z会中高事業本部 高校指導課 課長)

2022年度の共通テストを振り返って

共通テストの狙いに忠実な出題で、センター試験との違いが顕著に。

―今年の共通テストを見て率直にどのような感想を抱きましたか。

中村 Z会の分析などにもありますが、2022年度の共通テストは、多くの科目の出題でもともと「こういう出題をしますよ」と言われていたことがかなり忠実に出題された、という印象を受けました。共通テストも2年目を迎えて、本来の出題のねらいをより意識した出題が増えてきていますよね。「これまでのセンター試験とは問われる力が違いますよ」というメッセージが今年はよりはっきりしていたように思います。

加えて、どの教科も、解答するために読み解かなければいけない資料の量など、問題の分量が確実に増加しました。これも共通テストのねらいに沿ったものではあるのですが、時間内でとにかくたくさんの分量を処理しなければいけないというところにより負荷が増えています。時間との戦いという意味でも、受験生は相当大変だったと思います。

―この傾向は続くように思いますか。

中村 そうですね。おそらく元には戻らないのではないかと思います。分量感や難易度はその年によって上げ下げはあるとは思いますが、大きく根本的な出題方針を変えたりするようなことはなく、今年の傾向からあまり変わらずに進んでいくのではないかと思います。

 

数学では思考力を試す出題が目立つ。問題の分量の多さも平均点低下の一因に。

―数学は、今年かなり話題になりましたね。

花岡 そうですね。試験が終わって泣き出した受験生がいたとか、数学の専門家でも時間内に終わらなかったという話とか、大きな話題になりましたね。実際、数学ⅠAの平均点は40点を切りましたし、数学ⅡBも40点台前半になるなど、少し「やり過ぎ」という印象をもちました。

出題の内容については、問題の意味を理解したり、解決過程を振り返って次の問題の解決に生かしたりするなど、思考力が試される問題が中心で、試行テストや昨年度の共通テストと同じ出題傾向です。また、日常生活に関連する問題や対話型の問題なども多いため、問題の分量が多いのも同じでした。ただ、昨年度は、解きやすい問題が混じっていたのですが、テスト後にそういう問題が疑問視されていたこともあり、得点しやすい問題を減らす方向に動いたのではないかと思います。その意味では、平均点の低下は意図的なものだったと思いますが、ここまで下がることを予想できていたかどうかは疑問です。出題者側が難易度と分量の調整を少し見誤った部分もあったかもしれません。

また、日常生活に関連する問題が出題されるのも共通テストの特徴の一つですが、その点も話題になりました。そもそも、なぜ日常生活の問題が出題されるかというと、日本では「数学が役に立つ」と思っている高校生が他国に比べて非常に少ないんです。国際調査の結果なんですが。そこで、数学の有用性を実感できるような教育をしなくてはいけない、ということで、共通テストにも取り上げられるようになったのですが、今年の数学ⅡBでは、歩いている人とその間を往復する自転車が往復するというものが出題されました。これはさすがに不自然な設定で、問題のための問題という感じでした。さらにこの説明のための文章が非常に長い。狙いはわかるのですが、こういう出題では逆効果になってしまいますよね。

このように、今年度の数学の問題は批判も多く、だいぶ「悪者」になってしまいました。次年度以降は、是非改善してもらいたいところですが、出題意図や出題方針そのものは理にかなっていますし、良問も多く見られます。また、思考力重視の問題ほど、難易度の調整が難しい部分があるので、難易度については油断せずに、今年並みを想定して対策をしておくことをおすすめします。

 

本番の傾向に合わせた
対策問題に取り組める!

専科:共通テスト攻略演習

 

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学習指導要領が変わる、授業が変わる、入試が変わる

新学習指導要領で重視される「主体的・対話的で深い学び」

―そもそも、どうして「センター試験」から「共通テスト」のような内容の試験に変わったのでしょうか。

中村 皆さんもここ数年「主体的・対話的で深い学び」という言葉をよく聞いたのではないかと思いますが、2020年度の小学校を皮切りに行われた学習指導要領の改訂に際して掲げられたのが、この言葉です。共通テストも当然、新しい学習指導要領の趣旨に沿って作られるようになりましたが、対話形式の出題や、資料を読み解く問題が増えたのは、その傾向が現れていると思います。

一方で、学習指導要領の改訂というと、この2022年度の4月に高校1年生になった人たちが高3になる、2025年の1月に行われる共通テストではじめて、新学習指導要領で高校課程を学んだ人たちが受験をすることになります。2022年度の4月時点で高2・高3の人は、2022年度以前の学年を旧学習指導要領の課程で学んできています。つまり、旧学習指導要領で学んだ人たちが新指導要領の理念に基づいた共通テストを受けるという状況が、どうしても生まれてしまいます。

とくに学校の授業などは、共通テストのためだけにこれまでの指導方針を急に変えるなどということはなかなか難しいと思いますので、「学校の授業は旧来どおりのもの、なのに共通テストは新傾向の学びを意識したもの」ということがどうしても生じてしまいがちな状況だと思います。

 

共通テストで思考力が重視される理由とは?

花岡 新学習指導要領に沿った学習が浸透していくのは、まだこれからというところはありますが、そもそも何のために指導要領を変えたのか、というところは、高校生の皆さんも理解しておいてよいかもしれません。

今、ロボットやAIがどんどん進化していて、今ある仕事や職業がロボットやAIに取って代わられて、なくなる職業も多いのではないか、と予想されています。そういった変化の激しい時代を生き抜くには、やり方を覚えてそのとおりに答を導く、いわゆる再生型の学力ではなく、自分で考え、場合によっては他者と議論したり協働したりして、解決法を見いだしていく思考力、判断力を養わないといけないですよね、というのが指導要領改訂の狙いです。

つまり、新指導要領は知識や解法を詰め込む教育からの脱却を求めていて、共通テストはその評価として、思考力を試すような試験に変わってきているわけです。逆に言うと、目標となる大学入試を思考力重視の共通テストに変えることで、高校教育を変えることを意図している、と言うこともできます。こういう問題が解けるように、高校の授業も変えてくださいね、というメッセージでもあるわけです。

しかし、高校では学習内容の難度が高く、分量も多いうえに、伝統的に高校の授業は、先生からの一方的な講義や演習が多いので、変わっていくのはなかなか大変です。いわゆる進学校ほど、入試を意識するがゆえに、これまでのスタイルを変えにくい、という部分もあるかもしれません。

 

共通テストに特化した対策は必要?

授業が問題演習ばかりの方は要注意!

―そうすると、「共通テスト用の勉強」というのが必要になるのでしょうか。それとも、勉強の本質というのは基本的には変わらないものなので、学校を中心にしっかり学習していれば、特別な対策というのは必要ないのでしょうか。

花岡 先ほどふれたように、ともすると、高校の授業は詰め込みになりがちなところがあります。たとえば、数学だと、新しい概念や定理が出てきても、その基本となる部分を詳しく扱うよりも、先を急いで問題演習に走りがちなところがあります。授業の大半がプリントの問題を解く、というような授業も多いのではないでしょうか。

こういった授業を受けている方は少し注意が必要かもしれません。先生方は、生徒になるべく多くの問題を解けるようになってほしくて、このような授業をされているわけですが、根本の理解が十分でないままに問題演習に進むので、深く考えるよりも解法を習得しようとする生徒が多くなりがちです。

まさに、ここが問題視されて「主体的・対話的で深い学び」を目指す指導要領が導入されていて、そういったところが共通テストで狙われています。たとえば、定義や定理の意味を深く理解しているかどうかで出来が分かれる問題、他者の複数の考えを理解して問題解決の方法を考える問題、日常の事象に数学を応用するような問題などなど、従来型の問題演習ではあまり扱われない問題で思考力を試されます。これらは、授業で定義・定理の意味をしっかり考えたり、クラス全体で1つの問題に取り組んで議論したり、日常の事象を取り上げて考えたり…、そういった活動を取り入れた授業では養われやすいですが、問題演習ばかりでは養いにくいところです。

もちろん、問題演習中心の授業だったとしても、きちんと自分で定義・定理の意味を考えたり、別解を考えるなど、ただやり方を吸収するのではなく、自分の頭で考えることを繰り返していれば思考力自体は養われますから、あまり神経質になる必要はありませんが、独特な形式や分量の多さなどもありますから、油断せずに共通テスト用の対策は行った方がよいと思います。

 

得意科目でも油断は禁物。共通テストの特徴をふまえて対策を!

―Z会の教材ではどうでしょう。

中村 Z会の本科の教材は、どちらかというと個別試験を意識した内容になっています。共通テスト対策としては、「共通テスト攻略演習」という専科の講座が高3生用にあるので、その講座では1年をかけて共通テストに向けた力を養う内容になります。

 

また、共通テストは前述のとおり新しい理念に基づいて問題が作成されていますが、個別に行われる大学の個別試験が従来型からあまり変わっていないということもあり、それに対する対策と、共通テストに向けた対策と、それぞれが必要になるというのが現状です。必要なものを選んで受講していただくとよいと思います。

たとえば、国語では、個別試験に出題されるような、記述型でうんうんと頭の中でひねり出しながら解答を作るタイプの問題と、共通テストの選択肢を与えられたものから選ぶ問題とでは、求められる力がだいぶ違います。これはどういうことかと言うと、国公立の個別試験用の対策だけをしっかりやっていれば、共通テストの問題が自動的に点数がとれるようになるということは、少なくとも国語に関してはないということです。

根底にある「読解する力」などは共通していますけれど、たとえば東大の個別試験などでは、問題文を読んで理解した内容をひとつの大問について50分くらいかけて表現するというような大問がどんと出されるのに対し、共通テストでは、同じ50分の中で古文、漢文を解かないと間に合わないくらいのスピード感で、かつ、文章の構造を構造的に理解しながら読み、解答に必要なポイントをいかに正確に押さえ、選択肢を判断する…というように「情報の処理」という側面も必要になってきています。

このように、求められる力が異なりますので、いわゆる国語の力がいくらあって、言語能力がすぐれていて、国公立の個別試験型だと高得点が採れるような受験生だったとしても、まったく何も対策しないで共通テストを迎えたとすると、もう別のルールの科目のように見えると思いますよ。共通テストに関して言うと、「得意科目だから」と安心しないで、個別試験とはまた別の力が求められるテストだということを理解して、対策することが必要だと思いますね。

 

共通テストに向けて具体的にやるべきことは?

読解力や基礎知識などの「土台」を固めることが重要

―共通テストの対策として、どのようなことをしておけばいいのでしょうか。

中村 英語や国語はある一つの文章を「きちんと正確に読む」という土台がない限りは、文章を読んですぐに答えるということができません。また、実際の試験では問題量が多いので、文章を読むスピードも求められます。

まずは、一つの文章を、文章の論理展開を意識しながら読みましょう。「ここに大事なことが書いてあるぞ」「これとこれを比較して、最後結論はここに書いてあったな」というように、重要なポイントを頭の中で整理しながら読むのです。試験ではこれを高速でやらないといけませんから、最初はゆっくりでもいいので正確に文意をつかんで、文章の構造を頭の中でつかむ練習をやってほしいですね。これが“筋トレ”になって、あとからじわじわ効いてきます。

花岡 共通テストの数学はとくに分量が多いので、長い文章を読むことも含めて、時間を意識して早く解く練習をする、ということが必要です。また、太郎さんと花子さんが対話の中で、二人の異なる考えや解法を理解する必要があることも多いので、「さまざまな人の意見を聞きながら考える練習」を意識しておくとよいと思います。

たとえば、Z会の教材で勉強するときには、自分の考えた方法や「解答」だけをチェックするのではなく、「解説」で紹介している別解を使って「自分とは異なる考え方や解法を理解する」練習をするとよいと思います。そうすれば、他者の考えを理解する練習をしながら、いろいろな解法を習得できますので一石二鳥です。

中村 共通テストでの理科や地理歴史・公民などではたくさんの資料を読み解いて解答する問題などが出題されますが、基本的には教科書の知識を正確に理解していないと点数が取れない問題になっています。これは、教科書の理解があやふやでも、その場で考える力があれば点がとれるのかと言うと絶対に無理で、「教科書レベルの知識をきちんと理解する」という基本があり、「それを正確に応用できるか」が問われている、ということです。

その点では、国公立大の二次試験なども、教科書の基本的な内容をつながりを意識して理解するという学習がベースになっていますので、まずは学校の定期テストで知識をしっかりと押さえておき、その上に共通テストの対策、またそのさらに上に個別試験の対策というように、段階を追ってきちんと学習を積み上げておくことが大切だと思います。

 

基礎固めから最終仕上げまで
着実に実力を高められる!

専科:共通テスト攻略演習

※「授業」を中心に学習を進めたい方には[Z会の映像]共通テスト対策映像授業もおすすめです。

 

難しくても崩れない。本番で実力を発揮するために大切なこととは?

―報道などでも、今年の共通テストは総じて「難しい」という話をよく聞きましたが、実際に問題は難しかったのでしょうか。それとも、見慣れない問題に戸惑い、難しいと感じてしまった受験生が多かったということもあるのでしょうか。

中村 「本番でぜんぜん解けなかった」とか、「最後まで解き終えなかったことがショックだ」というような感想は見られましたね。

花岡 実際に難しかったのも事実ですが、予想外に難しかったので動揺してしまって、実力を発揮できなかった人も多かったのではないかと思います。

今回の共通テストが終わったあと、「普段、Z会で少し難しい問題もやっていてよかった」というお声もいただいたのですが、これは、まさに難しい問題に当たったときに、どう対応するかのトレーニングができていたのではないか、と思います。難しい問題が出題されたときには、解けるところから解くという基本的な行動はもちろんですが、動揺しないで「問題が難しいときもある。たぶん自分だけでなく、みんなも苦労しているのではないか」というように冷静に考えることも大切です。つまり、問題の難易度を見る目を養うというような、精神的なところの訓練もしていただけたのではないかと思います。

それから、共通テストは総合点が勝負なので、ちゃんと切り替えができたかどうかも大切だったと思います。数学Ⅰ・Aの試験の後、「想定得点にまったく届かず、ショックで次の試験にも影響してしまった」という声があった一方で、「Twitterで全体の出来を調べて安心した」という声もありました。重要な試験なので、一喜一憂するのもしかたないところですが、1科目ごと気持ちを切り替えるしたたかさというか、メンタルの強さがあるかどうかも総合点に影響するのではないかと思います。

中村 「記述式の国語はできるのに、共通テストはなぜだか苦手」という人は一定数います。「得意な科目で個別試験対策をしっかりやってきているからだいじょうぶだろう」と思うのではなく、自分は共通テストの問題も得点できるのか、しっかり確かめておいてください。科目ごとに自分との相性を考えて、トータルで学習計画を組み立てるなど、しっかり実力を発揮するための作戦を立てておきましょう。

 

―体の体力も必要ですか。

花岡 思考力と体力って相関していると思います。本当の筋力とかとは違うかもしれないけれど、「知的忍耐力」というような言い方をする人もいますけど、本番でも最後まで粘れるというような力は大切だと思います。

中村 今の共通テストの分量などは多くて大変だと思います。集中力を切らさずに60分、しかも求められる力の異なる7科目に対応するわけですからね。受験の日に実力をピークにもっていけるようにしておく必要がありますよ。

 

共通テストに向けて高1・高2のうちにしておくこと

「これまでにやったことのない問題」を時間をかけて考えてみる

―大学入試を見据えて、高1・高2生はどのくらいの勉強量が必要だと思いますか。

中村 学校の宿題の分量などにもよりますので、もちろん一概には言えないのですが、一日3時間くらいは確保できれば理想的だとは思います。毎日、英数国それぞれ一時間くらいは必要でしょう。

花岡 そうですね。今は、学校の課題量が多いですから、なかなかたいへんだとは思いますけど、それを含めてね。

 

―最低3時間ですか…。

中村 やってるかな、みんな。今の高校生たちが3時間の勉強時間を確保するのが大変というのは、承知してますよ。

花岡 部活をやっていたりもしますからね。ただ、それくらいの勉強時間を高1・高2のうちからしっかりとっていれば、高3になったときの負担が違ってくると思います。大学受験に向けて学習しなければならないことが増えていますから、早い段階から大学受験を見据えた準備をしておくことが大切です。

中村 あとは、高1・高2のころから学校の授業だけではなく、それとは異なるもので学習しておく経験も必要だと思います。学校のテストでは、授業でやったことの再現ができれば、点数がとれるという側面が強いかもしれませんが、大学入試ではそうはいきません。高1・高2の学習が、学校の予習復習と定期テスト対策だけだった人が、いきなり高3になって、それ以外の受験勉強をやり始めて、「自分はどこが得意でどこが苦手で…」というような把握をしているのではちょっと遅い。

必ずしも高1の段階からガンガン共通テストのような問題をたくさん解く必要というのはまったくなく、まずは普通の問題集でいいと思うのですが、初めて見るような問題をその場で自分の力で考えて、答えをなんとか自分なりに出すというような訓練は、高1・高2のうちから意識的に時間をつくってやる必要があると思います。もちろん、本格的な演習は高3からで十分なんですけれど、「時間をかけてじっくりやった方がいい学習」というのは、高1・高2のときじゃないとできないですからね。

花岡 本当にそのとおりで、学校のテスト対策というのは、ともすると授業でやったことを暗記すればなんとかなってしまうということがあると思います。もちろん、一生懸命基礎となることを覚えるということにはきちんと意味があるので、それもしっかりやる必要があるのだけれど、それで勉強が終わった気になってしまうのは、ちょっと違う。

今、中村さんもおっしゃったように、「これまでにやったことのない問題」を時間をかけて考えてみるのはとてもいい経験になるし、こういったことを高1・高2のうちから定期的に継続的にやることが「基礎力」となるように思います。それに、高1・高2をおろそかにしていて、高3になってから抜け漏れが多い学力を埋める作業というのは、やはり大変ですよ。しっかり基礎から着実に固めておけば、共通テストだろうが、二次試験だろうが、その傾向に合わせた対策を勉強するだけですみます。

あたりまえなんですけど、「高1・高2の学習のしかた」というものがあるし、「高3には高3の学習のしかた」がある。それがきちんとできていれば、どんな試験だろうと、しっかり対応できるんです。

 

共通テストに向けて中学生のうちにしておきたいこと

「なぜそうなるのか」を突き詰めて考えよう。一歩上の問題にも挑戦を!

―中学生のうちから共通テストを意識した学習をするとしたら、どのようなことをすればよいのでしょうか。

花岡 もちろん、大学入試までの学習というのは、積み上がってつながっているものですから、基礎力がしっかりとあればあるほど、その後の学習は進みやすくなります。とくに理系科目は、一つの単元の学習だけで力がつくというものではなく、それ以前の学習内容がどれだけ定着しているか、そしてその上に積み上げていくことができるかということが重要です。ですので、中学生のうちにしっかりと基礎を固めておけば固めておくほど、高校に入って伸びてくると思います。

また、学習を「固める」というのは、「パターンを暗記する」ような学習をすることではなく、「なぜそうなるのか」ということをきちんと説明できるというような学び方です。こういった学び方で中学校のうちにしっかり勉強しておくことが大切です。

中村 そうですね。文系科目でも、「問題に対してじっくり考える」という経験は、同じく早い段階からしてほしいですね。これは、中学生の段階でもできることですから、早い段階で身につけておいていただきたい。こういった「考える基礎体力」は大事です。

花岡 あとは、「もがく経験」も重要だろうと思います。「解ける問題」ばかりをやるのではなく、なかなか解けない、考えても考えてもわからないというような問題に向き合うことはとてもいい経験になるはずです。こういったことは、受験が近くなってから悠長にやれることではないですから、それこそ時間の切羽詰まっていない1年生や2年生のころからやっておいてほしい。Z会の問題をぜひ活用してください。

 

Z会でできる共通テスト対策(大学受験生向け講座)

◆[専科]共通テスト攻略演習
共通テストの傾向をふまえた教材に取り組みます。毎月の演習で、基礎固めから最終仕上げまで段階的に対策を進められます。


    ◆[Z会の映像]共通テスト対策映像授業
    「授業」を中心に学習を進めたい方におすすめ。Z会精鋭講師陣による質の高い解説講義(映像授業)で、共通テストの攻略ポイントを学びます。

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