東大の合否結果と「中学・高校アドバンスト」の成績から見る~高1の今、必要な力の伸ばし方【英語】~

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Z会ソリューションズ 先生向け教育ジャーナル
Z会ソリューションズでは、中学・高等学校の先生向けに教育情報を配信しています。大学入試情報、文部科学省の審議会情報をはじめ、先生方からお伺いした教育についてもご紹介します。

Z会ソリューションズでは、東大・京大・医学部をはじめとする難関大学を志望する生徒に向けたハイレベルな実力テスト「中学・高校アドバンスト」を実施しており、毎年、本テストを受験した生徒の皆さんが東大合格を勝ち取っています。今回は東大の合否データと「中学・高校アドバンスト」の成績結果より、高校1年生時点で伸ばしたい英語の力についてお話します。

東大合否結果と「中学・高校アドバンスト」の成績の関係

「中学・高校アドバンスト」を受験した生徒の皆さんの東大合否データを見ると、中学3年生時点・高校1年生時点の成績がその後の合否に深く関わっていることが読み取れます。

また、「中学・高校アドバンスト」では、中学3年生から高校1年生にかけて、特にリスニング長文読解の難度が上がり、中学3年生時点では、東大合格者・不合格者の間で大きく差のついていなかった問題でも、高校1年生になると、差がつき始めるようになります。

実際、東大合格者の答案分析でも、リスニングや長文読解での失点は合否の差を分ける結果となっており、これらの問題の対策を早い段階から意識しておくことは非常に重要だと考えられます。

 

高校1年生から難化するリスニングの対策

「高校アドバンスト」では高校1年生のリスニングは最終的なゴールを東大に見据え、難度の高いリスニング問題を出題しています。そのため、その後東大に合格した生徒の平均点と残念ながら不合格となってしまった生徒の平均点の間の乖離が大きく、苦手な生徒は「高校アドバンスト」に向け、リスニングの対策をしっかり行うことが、今後のリスニング学習の基礎となります。

高校1年生時点では、「リスニング対策」に特化して時間をとってご指導されることも少ないかもしれませんが、以下のような学校の取り組みをご紹介いたします。

  • 定期考査でリスニング問題を出題。リスニングの問題集を購入し、そこから出題。生徒には、年度末にその問題集を配布。
  • 『速読英単語』などの長文を掲載した単語集をリスニング教材として用い、文として読み上げる際の音のつながりを意識した活動を重点的に取り入れる。
  • ニュース動画やTED Talks を授業内で視聴。
  • ディクテーションによる音の可視化の活動を重点的に行う。

 

長文読解問題の対策

中学段階では「英語を英語のまま理解する」ということがご指導の中心となっているかと思いますが、大学入試においては、和訳や内容説明問題といった、日本語による記述問題の出題も多く、これらは対策なしにはなかなか得点に結びつかない設問形式です。「高校アドバンスト」では大学入試に向け、本格的な日本語記述問題を出題しており、学校の先生方とは異なる第三者(=採点者)にも伝わる答案を書くためのよい練習の機会となります。

特に、長文読解問題の和訳をはじめとする一部の記述問題(ほか、英訳や自由英作文問題も)には添削指導付というオプションもあり、「どこが間違っていたのか」「どのように直したらよいのか」という点まで、一人ひとりの生徒の答案に対してきめ細やかに朱字を入れて指導しています。

こういった、いわゆる「精読」的な長文問題対策として、高校1年生時点ではまず、単語力をつける」、「英文を正確に理解する」、「日本語でアウトプットする練習を増やすということが重要です。

・単語力をつける

多くの学校では生徒の単語力増強に悩まれていることと思われますが、複数の学校の先生方から「単語力は学年力!」というお言葉をいただいております。つまり、英語科の先生方だけではなく、担任の先生方も巻き込み単語テストを行う、単語力の必要性を担任の先生にも把握してもらう、など学年の先生方の協力が不可欠、と言えるようです。

また、いわゆる「多読」を通して、インプットを増やす、ということも多くの学校で取り入れている学習方法です。英語を得意にするには、現状ではそもそも読む量が圧倒的に少ない、というご指摘もあります。効果的な多読のために、サイドリーダー等を取り入れ、以下のような工夫をされているとのことです。

  • 苦手な生徒でも挫折しないよう、易しいものを題材にする
  • 生徒が興味をもつものを自ら選べるようにする(図書室にたくさんのサイドリーダーを導入する学校も)
  • 「生徒に自由に読ませる」だとなかなか読まないので、授業中に読む時間を取る
  • グループ活動で内容を確認する

・英文を正確に理解する

英文を正確に理解する、つまり、英文の構造を正確にとらえるために、スラッシュリーディングを積極的に授業に取り入れられている先生も多くいらっしゃいます。これは英文を前から理解し、いわゆる「返り読み」をしないようにするために有効な方法です。

実際の会話や音声でも、発言の大意を把握するためには、その場で聞こえてくる順番どおりに内容を理解していきますが、読解においても、同様に前から順に理解することが重要です。読解ではさらに、S・V・O・Cなど文法的な区切りや細かい修飾関係にも着目して、区切って意味を正確にとる練習を積むことで、安定した読解力を養成することができます。

日本語でアウトプットする練習を増やす

高校1年生時点では、なかなか授業内で日本語で書かせるような問題を扱うことが難しいという現実があるかと思います。しかし、この段階からの積み重ねが将来の合否につながっていることは「高校アドバンスト」の結果からも垣間見ることができます。生徒の皆さんが「日本語で書く」という機会を積極的に増やせるよう、Z会の新サービス「Z会の添削+トレーニング」も2024年2月に開講いたします(詳細は近日公開)。このような教材を通して、生徒の皆さんが授業で培った英語の力を定期的にアウトプットし、「第三者による添削」というフィードバックを受けることは実力養成のために効果的な方法です。

 

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