【学校向け】東京大学入試の国語で得点できる力を養うために必要な対策~2025年度入試問題Pick up!〜

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東京大学のアドミッション・ポリシー では、高等学校段階までの学習で身につけてほしい総合的な国語力として、「文章を筋道立てて読みとる読解力」「それを正しく明確な日本語によって表す表現力」が掲げられています。
本記事では、東京大学の入試問題から一題取り上げて、国語の試験で求められる力について具体的に説明します。

2025年度東大国語 傾向と対策

 

「自らの体験に基づいた主体的な国語の運用能力」とは

前述したように、東京大学入試の国語で求められるのは総合的な国語力であり、アドミッション・ポリシーでも出題にあたっては「自らの体験に基づいた主体的な国語の運用能力」が重視されるとあります。極端に読解が難しかったり特殊な前提知識が必要とされたりするような出題ではなく、問題文や設問を読んだだけだと簡単に解けそうに感じても、いざ実際に答案を書くとなると難しいのが、東大国語の大きな特徴です。問題演習を積み、【問題文を誤りなく読解し、設問で求められる内容を正しく押さえる力】【語彙力・記述力を活用し、読み取った内容を的確にまとめる力】を養うことが求められているといえるでしょう。

ここで、2025年2月の東京大学入試から一題取り上げ、具体的にどのように解答を組み立てていけばよいのか見ていきましょう。

 

2025年度東京大学・文科理科共通第一問について

第一問の評論は、成長過程における自己の身体イメージの成立について論じた文章からの出題です。「自己」と「他者」、「体性感覚」と「視覚」など、対比が明確で論じている内容も読み取りやすい文章で、東京大学入試としては比較的易しい出題といえるでしょう。ただ、解答を作成するにあたっては、必要な解答要素を落とさないように気をつけてまとめる必要があります。設問(一)を見てみましょう。

(一)「鏡像を遊び相手として扱うような振る舞いを見せる」(傍線部ア)とあるが、それはなぜか、説明せよ。

この問いでは「なぜか」という傍線部の理由が問われていますが、まず傍線部に至るまでの文章の流れや、傍線部前後の文脈を把握し、解答に必要な要素がどこにあるかを探しましょう

傍線部は問題文の第一段落に位置しており、「生後一年ごろまでの乳児」が「鏡像」をどのように「知覚」しているかが述べられている箇所にあります。第一段落では、傍線部に続いて乳児の成長に伴って鏡像に対する振る舞いが変化する過程が説明されています。続く第二段落では、「生後一年ごろまでの乳児」が「視覚的情報」をどのように処理しているかが説明されています。

よって、傍線部の理由を説明するためには、傍線部を含む第一段落だけでなく、「生後一年ごろまでの乳児」の認知の特徴が述べられている第二段落にも着目する必要があります。第二段落中の「つまり、生後一年ごろまでの乳児にとって、身体に由来する体性感覚的な情報と、外界に由来する視覚的情報とは分断されており、いまだ統合されていないのである」という一文が、「鏡像を遊び相手として扱う」直接的な原因となると考えられるでしょう。ただ、もちろんこの一文を抜き出すだけでは解答になりません。〈生後間もない乳児にとっては視覚的な情報と自己の身体の体性感覚が結びつかない〉から〈鏡像を他者として知覚し、興味を惹きつけられる〉という論理関係を明示しないと、傍線部の正確な理由説明とはいえないでしょう。

まずは傍線部周辺の論理展開を正確に押さえ、解答の中心となる部分を見つけることが重要です。さらに得点できる解答を作成するためには、設問が何を説明することを求めているのかを正確に押さえ、論理関係を意識して文を組み立てる必要があります。
東京大学入試で用意されている解答欄は基本的に1行~2行程度のため、文中の言葉を適切に言い換えたり端的に要約したりする工夫をしないと、読み取れた内容を正確に伝える解答を作成することができません。

 

幅広い文章ジャンルの演習×添削指導で東京大学入試を見据えた国語力養成を

東京大学入試で出題される狭い解答欄に対し、的確に要素を見極めて合格水準に達する解答を作成するためには、東京大学に対応したさまざまな文章ジャンルの演習経験を早い時期から数多く積み、実際に手を動かして答案を書く練習を重ねることが必要です。加えて作成した答案の添削指導を受けることで、プロの添削者の目線からのフィードバックを通じて〈答案作成時に押さえるべき着眼点〉を知ることも重要です。

Z会では難関大への進学実績向上を目指す学校に向け、「Z会の 添削+トレーニング」という学校専用サービスを提供しています。

こちらの東大対策演習では、東京大学に対応したオリジナル問題に取り組み、添削指導を受けることで、採点者に伝わる答案を作成する力を伸ばすことができます。東京大学入試で問われる「主体的な国語の運用能力」を養うためには、実際に答案を作成し、客観的な視点からのフィードバックを受ける経験を積むことが最も大切です。
ぜひ、東京大学合格への一助として「Z会の 添削+トレーニング」をご活用ください。

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