大学受験・入学にかかる費用を考える(前編)

2021年11月22日

カテゴリー : 大学受験

前編 受験に必要なお金はどのくらい?

大学進学は、受験生本人にとっても家族にとっても一大イベント。それにかかる費用をどう確保するかも、なかなか頭の痛い問題です。東京私大教連の「私立大学新入生の家計負担調査 2020年度」によると、首都圏の私立大学に進学する場合、受験から入学までにかかった費用の総額は自宅通学で約160万円、自宅外通学ならば約220万円にも上っています。受験~入学の時点で、いったいどんな費用がかかるのか?それを具体的に確かめたうえで、家計の負担を抑える方法がないかも探ってみたいと思います。
それではまず、受験にかかる費用の内訳を見てみましょう。

 

(参考)

私立大学新入生の家計負担調査 2020年度調査

 

受験料(検定料)

国公立大学を一般選抜で受験する場合は、まず大学入学共通テストを受け、さらに大学ごとの個別学力検査を受けることになります。共通テストの出願に必要な費用は、3教科以上で1万8000円、2教科以下で1万2000円です。(ちなみに、後日の成績通知を申込む場合はさらに800円をプラス。)また、大学ごとの個別学力検査にさいしても平均して1万7000円ほどの受験料がかかります。前期日程と後期日程を両方出願する場合には、当然、受験料も2回分必要。

 

▼大学入学共通テストにかかる費用

3教科以上 18,000円
2教科以下 12,000円

※成績通知を申し込むと追加で800円かかります。

 

▼個別学力検査(国公立)にかかる費用

1校につき 約17,000円

 

 

一方、私立大学の受験料は大学によって違いますが、平均すれば3万5000円ほど。国公立大学に比べると高めです。(なお、医学部を受ける場合は他学部に比べて受験料はさらに跳ね上がり、6万円くらい。)共通テスト利用入試で私立大学を受ける場合は、共通テストの出願にかかる費用は先に述べた通り。それとは別に、受験する大学に対して15000~20000円ほどの検定料を払います。また、私立大学の受験では出願書類自体も有料(大学によって異なりますが平均して1000円程度)で購入しなくてはならないことが多いです。

 

▼個別学力検査(私立)にかかる費用

1校につき 約35,000円

※大学・学部によっても異なります。

 

安心のために受験生が複数の大学・学部を受けるのは当然の戦略なのですが、やみくもに併願すると受験料だけでかなりの負担になってしまいます。もっとも、複数回受験する場合には受験料が軽減されるしくみをとっている大学は少なくありませんし、インターネットで出願すれば受験料が割り引かれるケースも。そうしたしくみの活用も検討するとよいでしょうね。

 

交通費・宿泊費

遠方の大学を受験する場合には、さらに交通費や宿泊費もかかります。地方から大都市圏に受けに行くとすれば、往復の交通費、宿泊費も数万円の単位になってしまうでしょう。しかし、近年は受験のための移動の負担を軽減するため、「地方会場」での試験を設定する大学が増えてきています。たとえば中央大学の入試は東京都内のキャンパスの他に、札幌、仙台、さいたま、千葉、名古屋、大阪、福岡の全国7都市での受験が可能。さらに、一部の入試は新潟、広島でも受けられます。こうした地方入試をうまく活用すれば、お金ばかりでなく時間や手間も省けるでしょう。ぜひ調べてみてください。また、大学入学共通テストはみんな地元で受験しますから、共通テスト利用入試を使って交通費・宿泊費の負担を減らすこともできます。

 

ところで、受験直前になって宿を手配しようとすると予想以上に費用がかさむ可能性があります。できるだけ早い時期から情報を集めて検討し、リーズナブルな宿やプランを予約しておくのが望ましいでしょうね。家族や親戚、あるいは信頼できる知人が現地にいらっしゃるなら、受験生を泊めてもらえないか尋ねてみるのも一つの手です。

 

受験料(検定料)や交通費・宿泊費などの費用は、試験日程や受験地をうまくまとめれば、ある程度抑えることができます。その意味では、事前の受験プラン・スケジュールをしっかり立てることが何より重要です。
ここまでに挙げたのは受験に直接関わる費用ですが、それとは別に、入試直前期までは塾や予備校、通信添削サービス、模擬試験、参考書・問題集の購入など学習に要する費用も別途、考えておかなくてはなりません。また、受験の仕方によっては、英検など外部検定試験のスコアが必要なケースもあり、その場合は検定試験を受ける費用もかかります。

 

 

後編では、大学に入学する際に必要なお金についてご紹介します。

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