『2025年用 パワーマックス国語』の使い方 〜新課程共通テストの傾向を踏まえて〜
Z会ソリューションズ 先生向け教育ジャーナル
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2025年度より、新課程の共通テストが実施されます。
国語は、制限時間や出題内容が変わりますので、注意が必要です。
本記事では、新課程の共通テストで、国語の試験がどのように変わるのかを簡単に説明した上で、『2025年用 パワーマックス国語』の効果的な使い方をお伝えいたします。
新課程・2025年度の共通テストについて
2024年度までの共通テストでは、第1問(論理的文章)・第2問(文学的文章)・第3問(古文)・第4問(漢文)の計4題が出題されていました。第1・2問で取り上げられたのは、近代以降の文章です。試験時間は80分、配点は200点(50点×4問)でした。
2025年度より実施される新課程の共通テストでは、近代以降の文章が1題増えて、国語全体で計5題の出題になります。試験時間は10分増えて90分になりますが、国語全体の配点は200点のまま変わりません。配点の内訳は、近代以降の文章(第1〜3問)が110点、古文・漢文(第4・5問)が90点(古文・漢文それぞれ45点)になります。
新課程になっても、国語全体の傾向としては、従来の共通テストの特徴を踏まえた出題が続くことが予想されます。つまり、複数の文章を読み比べる問題や、生徒と教師との会話形式による設問を踏まえて文章読解を進める問題など、マルチテクストや生徒自身の学習プロセスに関わる出題が、2024年度以前から変わらずに続いていくということです。
新課程の共通テストにおける国語の最大の変更点は、近代以降の文章のひとつとして、第3問が新たに加わることです。次に、この第3問で予想される出題内容について、簡単にご説明します。
新課程の共通テスト・第3問について
新課程になって新しく加わる第3問については、2022年(令和4年)11月に試作問題が公表されています。試作問題は第A問・第B問のふたつに分かれていました。
第A問 「健康分野における、気候変動の影響について」というタイトルのついた文章と、それに関連する図表が提示されました。具体的には、日本の年平均気温偏差の経年変化や、日本の年降水量偏差の経年変化、台風の発生数及び日本への接近数を示した図表です。これらの資料を踏まえて、それぞれの資料の読み取りや、レポートの目次を補う設問、その内容・構成について考えさせる設問が出題されました。
第B問 日本語の独特な言葉遣いについて調べ、「言葉遣いへの自覚」という題で自分の考えをまとめたレポートと、そのレポートを書くために参考にした資料が提示されました。具体的には、性別による言葉遣いの違いや、役割語の定義、役割語の習得時期などを示した図表や文章です。第A問に比べて、図表よりも文章の多い問題でした。やはり資料の読み取りの設問や、レポートの論拠を補足するために最適な内容はどれかを問うような設問などが出題されました。
このように、第3問の試作問題では、実用的な文章や、言語活動に基づいた設問の出題が目立ちました。資料の読み取りや解釈、レポートの作成を想定する設問が取り上げられており、
①複数の資料の中から、それぞれの設問に取り組むために必要な情報をすばやく選ぶこと
②選び取った情報を正しく解釈し、関係づけること
というふたつの力が必要になることがわかります。
『2025年用 パワーマックス国語』の強み
①過去の共通テストの出題傾向を徹底的に分析
『2025年用 パワーマックス国語』では、過去の共通テストの出題内容を分析し、新課程のテストで出題される可能性があるさまざまな形式の問題を収録しています。すべての回の論理的文章・文学的文章・古文・漢文の大問の中に、マルチテクストタイプの設問を用意。文章と文章との比較、資料形式・ノート形式での出題や、先生と生徒との会話を通した学習プロセスに関わる設問、文章と和歌・漢詩との融合問題など、共通テストで求められる「選び取った情報を正しく解釈し、関連づける」力を養います。
②試作問題の徹底的な分析の上に立った第3問
試作問題の特徴を踏まえた第3問を、『2025年用 パワーマックス国語』のすべての回に掲載しています。グラフや図表、会話形式の資料の読み取りや、「判断できない」を含めた内容の正誤判断、レポートの構成を検討したり根拠の示し方について考察したりする設問など、高校生の言語活動を通して求められるさまざまな能力を測り、伸ばしていくために最適な内容です。
③国語学習の先々まで見据えた良質な問題文
高校生に限らず、生きていく上で欠かせないのが「言葉の力」です。「言葉の力」の大切さは、大学受験にとどまりません。私たちは、言葉を用いて物事を考え、他者との関係性を構築し、問題を発見・解決しながら社会生活を送っているからです。言葉に関わる力として「読む」「書く」「考える」などの力がありますが、土台になるのは「読む」力、読解力です。『2025年用 パワーマックス』では、さまざまな分野の文章を「読む」ことにより、生きるために必要な「言葉の力」の土台を固めます。
『2025年用 パワーマックス国語』の効果的な使い方
①共通テストの傾向を確認する
過去の共通テストで出題された国語の問題をじっくり見たことがない方や、新課程の共通テストでどのような内容が出題されるのか知りたいという方に向けては、『2025年用 パワーマックス国語』を手に取って、まずはそれぞれの大問に目を通してもらうことが必要です。必ずしも、問題を解かなくても構いません。複数の文章を読み比べる問題とはどのような問題なのか、学習プロセスに関わる設問とはどのような設問なのか、理解を深めることができるはずです。
②問題に取り組んでみる
初めのうちは、解答目安時間を超過しても構いません。まずは全体の分量、問題文や設問の傾向に注意を払い、共通テストの出題傾向をしっかり把握することが大切です。共通テストの本番が近づいてきたら、徐々に解答目安時間に近づけるように、解答時間にも注意を払って取り組むことをおすすめします。
③第3問の出題内容に注意を払う
最も気になる点は、第3問の言語活動に関わる問題かもしれません。どのような問題が出題されるのか、今のところ、手掛かりを試作問題に求めるしかありません。『2025年用 パワーマックス』では試作問題を徹底的に分析し、出題が予想される様々なタイプの資料・設問を第3問の中で取り上げています。「第3問の演習に取り組みたい」という方は、各回の第3問のみ、少し優先的に取り組んでみてもよいでしょう。もちろん、第3問以外の現代文や、古文・漢文に重点的に取り組んでも構いません。
④「解答・解説編」を活用する
問題に取り組んだら、答え合わせをしただけで終わりにしてはいけません。「解答・解説編」には、問題文の概要や、各設問のポイント・正答理由、各選択肢の誤答理由、覚えておきたいポイントなどが、くわしく説明されています。問題文の枠組みをつかみ、各設問へのアプローチの仕方を学び、間違えた設問があるならその理由を理解する、加えて、「解答・解説編」に取り上げられた重要事項は、繰り返し確認することが大切です。大事なところにマーカーで色をつけるなどの工夫をしてみてもよいかもしれません。
『2025年用 パワーマックス国語』を通して、志望大学合格への道を切り開いていただけることを願っております。
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