【決定版】中学生の作文の書き方。作文チェックリストも公開!

2024年3月7日

カテゴリー : 高校受験

公立高校一般入試の8割以上で出題される「作文」。今回の記事では、高得点をとるために必要な「相手に伝わる文章を書くための5つのポイント」を特別公開。記述力養成のプロであるZ会のアドバイスをもとに、作文の完全攻略をめざしましょう!

 

目次

 

・中学生が特に苦手と感じることとは
・作文を書くときの5つのステップ
・作文の書き方を具体的なテーマで確認!
・今すぐ使える!Z会オリジナル「作文チェックリスト」

苦手な人も多い作文。中学生が特に苦手と感じることとは。

 

Z会では、Z会の通信教育を受講中の中学生会員に作文に関するアンケート調査を実施(実施時期2024年2月、回答者数416)。中学生が作文を書く際に、特に苦手意識を感じるのは、どういった点なのでしょうか。

―――
作文を書く上で重要になる10個の項目について、「できる」または「できない」をたずねたところ、「自分の意見について、必要に応じて具体例を交えて説明する。」に対して「できない」もしくは「どちらかといえばできない」との回答が31.0%、次いで「与えられたテーマに対して、書きたいことがすぐに思いつく。」が30.5%と他の項目に比べて苦手意識を持っている会員が多いことがわかりました。

 

▼作文に関するアンケートの結果

 

具体例を交えて説明することが難しいと考える理由として多いのは、やはり「思いつかない」だった一方、中には「具体例を簡潔にまとめるのが難しい」といった回答もありました。
具体例を交えて作文を書くことで、文章に説得力を持たせることができます。作文を書く際には、その主張をしたときに具体例として使える経験が自分にあるか、それを指定字数に応じて簡潔にまとめられるかを考えてから書くことが大切ですね。

 

また、学年別に集計した際には、いずれの学年でも上記の2項目に苦手意識を持っている割合が高かった一方で、中1では「「だから」「けど」といった話し言葉を使わずに書き言葉で書く。」、中2では「正しい漢字を使う。」、中3では「書きたいと思ったことを文章にする。」「自分の意見をはっきりと書く。」に苦手意識を持っている割合が他の学年に比べて高く、低学年では知識面に、高学年では考えたことを文章にするときに課題感を持っている傾向があることがわかりました。

 

今回の記事では、作文をすらすらと書けるようになるためのステップを、具体例も交えて解説。ご自身で書いた作文に何が足りていないのかをチェックするためのリストも公開するので、是非お役立てください。

 

作文を書くときの5つのステップ

作文はただやみくもに書いてもうまくいきません。相手に伝わるわかりやすい作文を書くためのポイントを確認しましょう。

 

1.問題の内容を確認する

 

まずは、問題をよく読んで出題内容や書く条件を把握することが重要です。具体的には、以下の3点を押さえましょう。

 

  • 何について書くのか
  • 何字で書くのか
  • 注意することは何か(原稿用紙の使い方、題名や氏名の要否など)
  •  

    特に注意が必要なのは、文字数制限です。例えば「200字以内」という指定であれば、指定字数の8割(160字以上)をめやすにしましょう。文字数オーバーはNGですが、短すぎても内容が不足してしまうので、注意が必要です。

     

    2.「一番伝えたいこと」を決める

     

    問題の要件を把握したら、作文の主題を決めます。テーマについて思いつくものを書き出したうえで、「一番伝えたいこと」を1つ選びましょう。選ぶ際には、「問題のテーマに合致しているか」「具体的な理由やエピソードを添えることができるか」などを考慮しましょう。

     

    3.材料を集める

     

    「一番伝えたいこと」が決まったら、理由を説明する材料を集めます。「なぜ、そう思うのか」を深く考えることが重要です。具体的な体験・エピソードがあると説得力が高まるので、今までの自分自身の経験を振り返りながら、理由・根拠を固めましょう
    材料は「りっぱなもの」や「めずらしいもの」でなくてもかまいません。毎日の生活の中での出来事や、考えたことをどんどん書き出してみましょう。出来事の大きさやインパクトよりも、「一番伝えたいこと」に合った内容になっているかが大切です。

     

    4.「構成メモ」をつくる

     

    主題とその根拠を書き出すことができたら、全体の構成を考え、書く内容と順番を整理した「構成メモ」をつくります。具体的なポイントは以下の2点です。

     

  • 字数に合わせて、書く材料を選ぶ
  • 書く順番を決める
  •  

    まずは、集めた材料を見直して、字数の範囲内で十分に説明できるよう取捨選択をおこないます。たくさんの要素を入れようとすると一つひとつが説明不足になったり、まとまりのない文章になったりするので、要素を絞ることも重要です。

     

    書く材料が決まったら、次に、要素の順番を考えます。字数にもよりますが、大まかな構成は以下の3つが基本になります。

     

    【はじめ】
    「一番伝えたいこと」を簡単に述べます。(主題)
    【中】
    主題を説明するための具体例や根拠を述べます。
    【終わり】
    今回の作文作成を通して考えたことなどを述べます。(結論・まとめ)

     

     

    5.原稿用紙に作文を書く

     

    「構成メモ」ができたら、いよいよ原稿用紙に作文を書いていきます。「読む人にきちんと伝わる表現」にするために、以下のポイントを意識しましょう。

     

  • 漢字で正しく書く
  • 主語と述語のつながりに注意して書く
  • 一つの文はなるべく短く書く
  • 指示語(「これ」「その」など)を使い過ぎない
  • 文の終わりははっきりと結ぶ
  • 「話し言葉」を使わない(「けど」「マジで」などはNG)
  • 原稿用紙の使い方を守って書く
  •  

    特に注意すべきなのは2点目と3点目です。文は長くなればなるほど意味がわかりにくくなり、主語と述語の対応関係がねじれることにもつながります。一度書いたものを読み返して、長いと感じる文章は2つか3つの文章に分けて書きましょう。
    また、5については、「~かもしれない」「~と思う」という表現はあいまいな印象を与えてしまいます。自分の意見を書く部分では、「~だ」「~したい」など言い切りの表現を使うようにしましょう。

     

     

    作文の書き方を具体的なテーマで確認!

     

    5つのポイントに沿って、実践的に考えてみましょう。今回は入試でもよく出題されるテーマとして「私の性格」に関する作文を想定します。

     

    <練習問題>
    「私の性格」という題で、作文を200字以内で書きなさい。
    ※題名や氏名、学校名は書かずに、本文から書き始めること。
    ※原稿用紙の正しい使い方にしたがうこと。

     

    1.問題の内容を確認する

     

    この問題のテーマは「私の性格」です。「あなたのことを知らない人に、あなたの性格を知ってもらう」ことが目標になります。字数制限は「200字以内」なので、根拠やエピソードは1つ程度にしぼって、簡単にまとめるとよいでしょう。
    また、「題名や氏名、学校名は書かない」という点も見落とさないようにしましょう。逆に「適切な題名をつける」ことが求められる場合もあるので、条件の指定を読み飛ばさないように注意しましょう。

     

    2.「一番伝えたいこと」を決める

     

    まずは「自分はどんな性格か」を一言で示す表現を考えます。
    ふだんの自分を振り返って、「自分の好きなところ・自慢できるところ」を書き出してみましょう。また、まわりの人から「○○な性格だね」などと言われた経験があれば、そこで言われたことも参考になります。

     

    ある程度書き出すことができたら、1つを選んで「私は○○な性格だ。」という一文を完成させましょう。性格を示す具体的なエピソードがあるものを選ぶと、理由や根拠などが書きやすくなります

     


    明るい・元気・うっかり者・誰とでも仲よくできる・おもしろい

     

    3.材料を集める

     

    「私は○○な性格だ。」という主題が決まったら、その理由や根拠となるエピソードを集めましょう。「なぜ、その性格だと思うのか」を考えたうえで、そのように思った出来事や体験を具体的に書き出します。学校・家・習い事など、自分の毎日を具体的に思い浮かべて材料を探してみましょう

     

    そのうえで、「その性格についてどう思うか」「その性格を今後どのように活かせそうか」も考えてみましょう。「前向きな性格を活かして新しいことにチャレンジしたい」「面倒見のよさを活かして後輩に慕われる先輩になりたい」など、将来の展望にも言及できるとよいでしょう。

     


    私は、明るい性格だ。

     

  • なぜ、そう思うのか?
  • ・友達に「明るい」とよく言われるから。
    ・つらいときでも、前向きに考えられるから。

     

  • そう思った出来事、体験は何か?
  • 去年の夏、野球大会の前に、肩をけがしてしまって野球大会に出られなかった 。
    大会をめざしていたので落ちこんだが来年、今年の分もいっぱい活躍するぞと思った。
    気持ちを切りかえて毎日の練習をがんばった。

     

  • その性格についてどう思うか?
  • どんな時でも明るく考えられるから、あきらめずにがんばれる。これからも明るくがんばりたい。友達も「いつも明るいケンを見ていると、がんばれる。」と言ってくれるのでうれしい。

     

  • その性格を今後どのように活かせそうか
  • つらいことがあってもあきらめないようにしたい。

     

    4.「構成メモ」をつくる

     

    書く内容を書く順番に並べたメモが「構成メモ」です。「私は○○な性格だ。」「そのように考えた理由は●●だ。」「○○な性格を活かして△△に取り組みたい」という材料が揃ったので、それらを取捨選択しながら構成メモをつくります。

     

    今回は200字程度の短い作文なので、出来事や体験などの具体的なエピソードは1つに絞るのがよいでしょう。短い作文の場合には、あれこれ要素を詰め込むよりは、1つに絞って丁寧に説明するほうがおすすめです。

     

  • はじめ
  • ・私は明るい性格だ。
    ・理由は、つらいときでも明るく考えられるから。

  • ・去年の夏、野球大会の前にけがをしてしまって、野球大会に出られなくなった。
    ・大会を目指していたので落ち込んだが、「来年、今年の分もいっぱい活躍するぞ」と思った。
    ・気持ちを切りかえて毎日の連絡をがんばった。

  • 終わり
  • ・どんなときでも明るく考えられるから、あきらめずにがんばれる。
    ・これからも明るくがんばりたい。

     

    5.原稿用紙に作文を書く

     

    書き出しは、一番伝えたいこと(主題)をズバッと書いてしまうのがおすすめです。今回の場合には、「私は○○な性格だ。」と短くはっきり示すのがよいでしょう。

     

    また、読みやすい作文にするためには段落分けも重要です。内容にもよりますが。200字程度の作文であれば、2〜3段落をめやすに分けるとよいでしょう。今回の場合には、「はじめ」「中」「終わり」の3段落で構成するのがおすすめです。

     

     

    今すぐ使える!Z会オリジナル「作文チェックリスト」

     

    作文を書いたときには、見直しが大切です。ただ、単に読み返すだけでは改善点に気づきにくいので、チェック項目にしたがって見直すのがおすすめです。

     

    そんなあなたのために、Z会の作文指導担当者が、押さえておくべきポイントを「作文チェックリスト」としてまとめました。あなたの書いた作文をチェックして、減点されない作文にしていきましょう。

     

  • チェック数:18〜20個 →とてもよく書けています!
  • チェック数:10〜17個 →あと一歩です!
  • チェック数:0〜9個  →ポイントを復習しておきましょう!
  •  

    <表現・表記>
    □ 漢字は正しく書けているか(誤字や送りがなのミスがないか)
    □ 読点(、)は読みやすくつけられているか
    □ 「です・ます」調と「だ・である」調が混ざっていないか
    □ 主語・述語のつながりがわかりにくくないか
    □ 1つの文が長くなってしまっていないか(長くても3行以内をめやすに)
    □ 文と文のつながりでわかりにくい部分がないか
    □ 「ら抜き言葉」や「話し言葉」を使っていないか

     

    <原稿用紙の使い方>
    □ 書き出しと段落の書きはじめを1マス空けているか
    □ 句読点(。、)の使い方は正しいか
    □ カギカッコの使い方は正しいか
    □ 行のはじめに句読点(。、)や閉じカッコが来ていないか
    □ 小さい「やゆよ」も1マス使っているか

     

    <問題の条件>
    □ 文字数制限を守っているか(「●字以内」の場合には8割以上書いているか)
    □ 題名や氏名、学校名の要否などの指定を守っているか

     

    <主題を決める力>
    □ 「一番伝えたいこと」を冒頭ではっきりと述べることができているか

     

    <材料を用意する力>
    □ 主題の理由や根拠を示す具体例を書いているか
    □ 具体例の内容と主題がつながっているか(主題に合っているか)

     

    <構成力>
    □ 文字数に合わせて、適切な段落分けができているか
    □ 段落ごとに内容をまとまっているか(同じ内容が別の段落にまたがっているのはNG)

     

    <考察力>
    □ 作文を書く中で考えたことを含めているか(今後の展望、将来像など)

     

     

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    限られた時間で読み手に伝わる文章を書くためには、「ポイントを押さえて記述する練習を積むこと」「書いた文章をプロに見てもらいアドバイスをもらうこと」が大切です。

     

    「Z会の通信教育 中学生テキストコース」では、考えさせる良質な問題と丁寧な個別指導で、記述力を高められます。作文講座では、作文専門の指導者が「どう書くか」から「どこを直すか」まで丁寧に指導。究極の個別指導で記述力を養います。
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