2025年度共通テスト 分析&対策の指針

共通テスト分析速報。共通テストを科目ごとに分析。

令和7年度大学入学共通テストの科目別分析、公開中!

2025年1月18日・19日に実施された本試験について、Z会が科目ごとに分析。「総括と学習の指針」も公開中です。

Z会では毎年、共通テストの「分析」や「対策」の詳細を公開しています。ぜひこれからの対策にお役立てください。

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各科目の分析記事一覧

Z会の大学受験担当者が、共通テストの試験問題を科目ごとに分析。今年度の出題内容と次年度に向けた攻略のポイントを解説します。

分析、公開中!英語リーディング  分析、公開中!英語リスニング 
分析、公開中!数学Ⅰ,数学A  分析、公開中!数学Ⅱ,数学B,数学C 
分析、公開中!国語 
分析、公開中!物理  分析、公開中!化学  分析、公開中!生物 
分析、公開中!化学基礎  分析、公開中!生物基礎 
分析、公開中!歴史総合,日本史探究  分析、公開中!歴史総合,世界史探究  分析、公開中!地理総合,地理探究 
分析、公開中!情報Ⅰ

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総括と学習の指針

2025年度の共通テストの総括

【共通テストの全体傾向】学習指導要領の改訂に伴う変更点が多かったが、得点に大きな変動はなかった。

今年度は「情報Ⅰ」が新たな科目として追加、地歴・公民では科目の再編、数学は出題範囲が変更、英語リーディングや国語の大問構成が変更と、前年度から変更点の多い試験となりました。この変更により、受験生には多少の緊張や困惑はあったかと思われますが、大学入試センター発表の中間集計を確認すると、前年度との比較が可能な科目については、大きく難易度の変わったものは見られず、受験生の結果は、実力が相応に反映される試験だったでしょう。

出題内容については、これまで同様に、問題の分量や扱う資料の数が多く、多くの資料から適切に情報を読み取る力や、資料の内容を学習内容と関連付けて考察する力を要する問題が目立ちました。各科目の出題を見ると、細かい変化こそ見られるものの、知識の量ではなく、知識の活用力や応用力を問う共通テストの問題作成方針は、学習指導要領の改訂を経ても変更はありませんでした

【英語】リーディングは平均点アップ、リスニングは平均点ダウン。

「リーディング」については、大問数が6から8に増加したものの、昨年までのように中問に分かれる大問がなく、結果的に設問数やマーク数は減少しました。試験全体の総語数も減少しましたが、多くの大問で、図・表・イラストが使用されており、短時間で複数の情報を処理する能力、速読速解力を求められる試験であることに、変わりはありません。語数・設問数の減少が、そのまま平均点アップにつながったと考えられるため、前年度までと変わらず、十分な対策をしなければ試験時間内にすべての設問を処理することが難しい試験であると言えます。

「リスニング」については、大問数や設問数に変化はありませんでした。出題傾向は、第5問で、大学入試センターから公表されていた試作問題と同じ形式の設問が出題されたことを除き、英文の読み上げが1回しかない設問、アメリカ英語以外の英語が使われる設問、表やグラフなどを読み込んで素早く正答を導き出す設問などは引き続き出題され、大きくは変化しませんでした。

リーディング・リスニングともに本番の時間設定・出題形式に合わせた演習を事前に積み重ね、多くの英文情報や資料の中にある、解答に必要な情報に素早くアクセスできるようにしておくことが大切です。

【数学】出題範囲の変更があったが、平均点には大きく影響しなかった。

「数学Ⅰ,A」については、昨年までは選択問題がありましたが、今年度から大問4題すべてが必答に変わりました。共通テスト特有の、具体的な実社会での設定に対して、数学を適用して解釈する問題、複数の登場人物の会話から、その人物の考えを踏まえて解答する問題などの出題形式は、昨年までと変更はありませんでした。数学は試験時間に比して問題分量が多いことが、平均点を押し下げる要因となっていましたが、今年度の出題は分量や誘導の示し方などに工夫が見られ、時間配分への苦労が比較的少なかったことが、平均点のやや上昇に貢献していると考えられます。

「数学Ⅱ,B,C」は、昨年までの数学Ⅱ・Bに数学Cの範囲を加え、数学Ⅱの3題は必答、数学B、数学Cの4題は選択問題(3題を選択する形式)として出題されました。出題傾向は、数学Ⅰ・Aと同じく、これまでの共通テストと比較して、大きな変化はありませんでした。各大問において、易しい問題から難しい問題が順に並んでおり、受験生の実力が結果に現れやすい構成でした。分量には配慮はなされているものの、全体的に昨年よりは難しくなったことが、平均点の低下につながったと考えられます。

【国語】制限時間の厳しさに変化はないが、選択肢の減少に伴う負担減により、平均点上昇。

昨年までの、評論・小説・古文・漢文に加え、「言語活動に関する大問」が第3問に追加され、これに伴い、試験時間も80分から90分に延長されました。また、全体として選択肢の数が減少し、これによって、解答時間の適正化を図ったと思われますが、正解を選択するために要する時間はさほど変わらず、全体として、時間的余裕のない試験であったでしょう。

評論・小説は、複数文章を関連付けて読解する出題ではなく、単独の文章を用いた出題になりましたので、文章そのものの読解力が試されました。古文・漢文は、これまでの共通テストの出題と変わらず、複数の文章を関連付けて読解する出題でした。

注目の第3問は、「わかりやすい言葉づかいについて自分の考えを書く」という課題についてまとめた【文章】に関する問題で、3つの資料の読み取りや、【文章】の加筆・修正に関する設問が出題されました。文章は短く、資料のデータも複雑ではありませんでしたが、それでも引っかかるポイントは多かったため、この大問をいかに手早く処理できたかが、全体の明暗を分けたと思われます。

【理科・地歴公民】理科:全体的に平均点が低下。地歴・公民:科目再編によって、新課程科目と旧課程科目の平均点に差が生じた。

「理科基礎、理科」については、全科目において、分量の増加、あるいは設問の難化が多少見られたため、全体的に平均点は下がりました。理科基礎については、これまでの共通テストと同様に、知識や典型問題への対応力の定着だけでなく、教科書の内容の理解に基づいた、思考力や知識の活用力を問う出題への対応力が必要でした。理科については、個別試験で問われるような設問も見られるようになったため、共通テストとしての対策のみではなく、個別試験も見すえた対策が、共通テストの得点にも反映されると考えて、対策を行うべきでしょう。

「科目再編のあった地歴・公民」については、これまでの共通テストの出題傾向を踏襲しつつ、より読解力や思考力を問う設問が増加しました。難易度に大きな変化は見られませんでしたが、解答に時間を要する問題が増えたため、時間的余裕はない試験であったと思われます。

また、地歴・公民においては、高卒生は旧課程科目を選択することが可能であり、この旧課程科目と新課程科目の間に、それなりの平均点の差が生じています。地歴・公民という科目の特性上、より対策時間を増やすことのできる高卒生が有利な面はありますが、新課程科目の出題形式による影響もあると考えられます。

これまでの共通テストでは、理科、地歴・公民は、英語・数学・国語と比較すると、試験時間に対する問題文の分量にはやや余裕がありましたが、今年度は、この差は埋まってきたとみてよいでしょう。制限時間内に解ききるためにも、確固たる知識の習得、単元理解の深耕はもちろん、思考力を要する問題への対応力が明暗を分けると認識して、しっかり対策を行いましょう。

【情報】試作問題と同じ構成での出題で、取り組みやすかったためか、平均点は高い。

情報は、今年度から新たに出題された新科目でしたが、難問・奇問の出題はなく、他の科目と比較しても、取り組みやすい出題であったと思われます。

教科書の内容を正しく理解していることを前提として、問題の発見や解決に応用する思考力を問う設問が多く出題されました。他の科目と同様に、資料やデータの読み取りも含めた、読解力が必要な科目であるため、題意を素早く正確に読み取り、設問に対応できる力を養成することが重要です。

今後の共通テストの学習の指針

1.時間内に多くの資料を読み解く読解力・情報処理の力が不可欠!

共通テストは、読み解くべき文章や資料の分量が多く、時間的に非常に厳しい試験となっています。そして、短時間で、多くの資料から適切に情報を読み取り、解答に必要な情報に正しくアクセスし、他の資料や教科書の学習内容と結びつけて考察する力も問われます。「読解力の養成」「知識を深く理解して応用する」「未知の設定でも知識を正しく活用して論理的に考察する」という姿勢を常に意識した学習の積み上げが求められます。

2.基礎知識の習得も確実に!

「読解力」という側面にばかり気を取られて、基礎知識の習得がおろそかになることも、要注意です。例年、基礎知識の正確な理解がなければ解けないタイプの出題も多くあり、高得点を狙うには、このような問題での失点は避けたいものです。知識の正確な理解と定着は、これからも変わらず重要です。

3.早期から「入試を見すえた学習」を!

科目数も多い共通テスト対策を着実に進めるためには、高1高2の段階から、計画的に学習を進めることが大事です。とくに、全科目で求められる文章の読解力や、配点の比重が大きい英語のリスニングなどは、短期間での対策が難しいです。「受験生になってから」ではなく、早期から対策に着手しましょう。学校の授業だけでなく、入試を見すえた学習にも少しずつでも取り組んでおくとよいでしょう。

 

共通テスト対策として必要なこと

  • 土台となる読解力の養成や、正確な知識の習得に、早い時期から意識的に取り組むこと
  • 出題が想定されるタイプの問題には、幅広く取り組んでおくこと
  • 試験本番の分量感をふまえ、時間配分も意識した実戦形式の演習にもしっかりと取り組んでおくこと
  • もちろん個別試験対策との時間配分のバランスにも注意して、全科目まんべんなく対策を進めること

Z会の通信教育の「共通テスト攻略演習」は、毎月の演習を通して、上記の対策を段階的に進めていく講座です。7教科17科目セットなので、全科目まんべんなく対策を進めることができ、共通テストでの高得点が狙えます。 Z会を活用して、これからの共通テスト対策を効果的に進めましょう!

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