教育&入試トレンドニュース【2022年6月号】

2022年6月1日

カテゴリー : 教育情報全般

さまざまな教育ニュースを毎月配信する「教育&入試トレンドニュース」6月号です。

主なニュース

【高校生の46%が英検準2級以上の英語力】

5月18日、文部科学省は2021(令和3)年度英語教育実施状況調査の結果を公表しました。これは小学校~高校における英語教育改善策の現状についての調査で、2013(平成25)年度から実施されています。ただし、2020(令和2)年度は新型コロナウイルスの影響で中止されたため、結果の公表は2年ぶり。
CEFR A2レベル(英検準2級)相当以上の英語力を有すると思われる高校生は全体の約46%でした。目標の50%には達していませんが、10年前は30%にとどまっていましたから、着実に増えています。とくに、実際に検定試験を受けてCEFR A2レベル(英検準2級)相当以上を取得している生徒は全体の約31%を占め、10年前(約10%)に比べて3倍以上。近年、検定試験にチャレンジする高校生が急増していることがうかがえます。
地域差も目立ちます。CEFR A2レベル相当以上の英語力を有すると思われる高校生の割合が全国で最も高かったのは福井県(59.6%)。最も低かった福島県(36.3%)とのあいだには20%以上の開きがありました。
一方、高校の英語担当教師でCEFR B2レベル(英検準1級)以上を取得している割合は74.9%でした。第2期教育振興基本計画で「75%以上」という目標が掲げられた2013年には52.7%でしたから、その目標をほぼ達成するところまで来ています。

(参考)
▼令和3年度「英語教育実施状況調査」の結果について (文部科学省)

 

その他のニュース

◆4月26日:静岡大学は2023(令和5)年4月にグローバル共創科学部(仮称 定員115名)を新設する申請を行ったとHP上で公表しました。新学部では既存の6学部の教育成果を融合し、「総合知」を創造・活用しながら未来社会を構想・デザインできる「共創型人材」の育成を目指します。「国際地域創造学」「生命圏循環共生学」「総合人間科学」の3コースが設置される予定です。

(参考)
▼静岡大学グローバル共創科学部(仮称)の設置申請と地域創造学環の学生募集停止等について(静岡大学)

 

◆4月27日:上智大学は2023(令和5)年度一般選抜の共通テスト利用方式で、これまでの4教科型に加えて3教科型を新設すると発表しました。共通テスト利用方式では大学独自の試験を行わず、大学入学共通テストだけで合否を判定します。各学科が指定する共通テストの受験科目を満たしていれば、複数の学部・学科の併願が可能。また、総合人間科学部心理学科や看護学科など一部の学科では2次試験として面接試験も実施されます。

(参考)
▼2023年度一般選抜 共通テスト利用方式(3教科型)新設について (上智大学)

 

◆4月27日:イギリスの教育専門誌Times Higher Educationが、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に対する大学の貢献度を格付けするインパクトランキング2022を公表。このランキングは2019年から公表されているもので、今回、日本の大学では北海道大学が総合10位につけました。SDGsが掲げる17の目標ごとの順位も公表されており、北海道大学は「飢餓をゼロに」の項目で世界1位を獲得。なお、世界総合1位はオーストラリアのウエスタンシドニー大学でした。

(参考)
▼北海道大学×SDGs インパクトランキング (北海道大学)

 

◆5月10日:政府の教育未来創造会議が第一次提言をまとめ、公表しました。内容は多岐にわたりますが、奨学金に関する提言がとくに注目されています。2020(令和2)年度から導入された低所得世帯を対象とする給付型奨学金について、現在は対象外となっている中間所得層での支援を拡大すべきだとしました。貸与型の奨学金についても、卒業・修了後の所得に応じて柔軟な返還ができる「出世払い」のしくみの導入が提言されています。

(参考)
▼子どもが多い世帯、我が国の未来をけん引する大学等と社会の在り方について(第一次提言)(内閣官房)

 

◆5月11日:教員免許更新制を廃止する改正法が国会で可決、成立。教員免許の更新制は教員の資質確保を目的に2009(平成21)年度から導入されましたが、更新のために受ける講習が教員の負担増や人手不足につながっているという声が強まっていました。今年7月に更新制は廃止され、「10年」だった教員免許の有効期限はなくなることに。更新講習も不要となりますが、かわりに来年度からは教員に研修記録を義務づける新制度がスタートします。

(参考)
▼教員免許更新制のページ (文部科学省)

 

◆5月17日:和歌山県立医科大学が来年度から医学部の入学者選抜で産科など医師不足が深刻な診療科に特化した募集枠を新設すると発表しました。従来から卒業後9年間、和歌山県内でキャリアを積んでもらう「県民医療枠」を設けており、この枠のなかに「産科枠」と「不足診療科枠」を設けるかたちです。医学部での地域枠入試はすでに広く実施されていますが、「産科」限定という募集枠は全国でも初めて。

(参考)
▼令和5年度和歌山県立医科大学医学部医学科入学者選抜における特別枠の設置について (和歌山県立医科大学)

 

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